荒汐部屋の看板猫「ムギ」が息を引き取る…所属力士が悲痛な思いをツイートで明かす
東京・日本橋浜町にある相撲部屋「荒汐部屋(あらしおべや)」で暮らしていた看板猫のムギが死去したことを、所属力士の福轟力(ふくごうりき)が9月6日、自身のツイッターで明かしました。
荒汐部屋は2002年に、元小結の大豊(おおゆたか)が時津風部屋から分家独立する形で創設した比較的新しい相撲部屋で、ホームページやFacebook、TwitterなどのWEBメディアを使った情報発信が弟子の獲得に貢献していることから、人材獲得に苦心している相撲業界ではスカウティングの成功事例として語られることも。
また、2011年には所属力士の蒼国来(そうこくらい)が八百長に関与したとして日本相撲協会から解雇処分を受けるものの、「八百長に関与しておらず解雇は不当」として協会を相手取り提訴。2年に渡る裁判の末に勝訴したことは当時大きな話題となりました。
そんな騒動の渦中でも荒汐部屋を影から支え続けたのが、九州場所の時に福岡で拾われたという元ノラ猫の「モル」と、荒汐部屋の近くに捨てられていた元捨て猫の「ムギ」。
「お相撲さん×ネコ」という意外な組み合わせが注目を集めテレビや雑誌などでも取り上げられたほか、2016年には2ヶ月間で4冊の写真集が発売されるほどのフィーバーぶりを発揮するなど、相撲ファンや猫好きな人の中には見聞きしたことがあるという人も多いのでは。
今回亡くなってしまったのは、土俵の近くで力士たちの稽古を見守り写真集の表紙にも登場した「モル」の方ではなく、力士たちが暮らす部屋の外にはあまり出て行かなかったという恥ずかしがり屋な「ムギ(茶白猫)」。
福轟力のツイートによると、7月に異変が見られたため動物病院に連れて行き、入院や検査を経て肺に悪性腫瘍があることが判明。さらに詳しい精密検査を行ったり今後のケアなどを検討しているうちに容態が悪化して、今月の4日に再度入院するもその日のうちに永眠。最後は獣医さんに看取られながら眠るように息を引き取ったのだとか。
巡業など移動の多い職業柄からか「寂しい思いをさせてしまった」と過去を振り返る福轟力。現在も「ムギ」を失ってしまった喪失感を抱えていることを明かしながらも、「部屋に拾われて良かったと思ってくれていると信じたい」と語るなど、生前に精一杯の愛情を注いできた様子が伝わってきます。
ファンの人からもチュールやマタタビなどのお土産を贈られ、多くの人に愛されていたという猫の「ムギ」。コメントの最後ではムギの冥福を祈り、ムギを愛してくれた人々にお礼の言葉を述べています。
そんな福轟力は奇しくもつい先日、9月8日(日)から始まる9月場所をもって14年にわたる土俵生活に別れを告げると引退発表が行われたばかり。
※9月11日(水)までは断髪式の参加申込を受付中
今回は相撲部屋で暮らす人気猫の訃報でしたが、8月13日には猫映画ブームの火つけ役となった動物時代劇「猫侍(ねこざむらい)」で主役を務めた美魔女猫の「あなご」が亡くなっており、多くの人々に癒やしを与えてきた有名猫たちの悲しいニュースが続いています。
参考:人間の年齢で100歳に相当する美魔女猫の「あなご」が逝去、18日までお別れの場を提供中