リュウグウノツカイは渡さニャい!けりぐるみに執着する黒猫ちゃん、ワガママかと思いきや実は弟想いの優しい猫だった
猫はお気に入りのおもちゃを見つけると、思いもよらない執着心を見せることがあります。
一緒に寝たり、他の猫に触らせまいと威嚇したり、ときには飼い主が触れようとするだけで不満そうな表情を浮かべることも──。「これは渡さないニャ!」という強い気持ちをが伝わってくる猫の姿は、どこか子どもっぽくて見ていて微笑ましいものです。
先日、XユーザーのRaiRai(@laylay_rai)さんが目撃したのも、そんな愛猫の可愛らしいワンシーンでした。

写真に写っているのは、黒猫の空(そら)くん♂。その脇には何やらお魚のようなぬいぐるみを大事そうに抱えています。
よく見ると体が細長くて銀色に光っている何とも不思議なぬいぐるみですが、実はこれ、神秘的な深海魚『リュウグウノツカイ』をモチーフにしたけりぐるみ(=猫が蹴って遊ぶ玩具)。姿形だけでなく、きょとんとした表情がとてもユニークなけりぐるみで、猫ちゃんにがっちりホールドされてしまった姿はとってもシュール。
まるで猫に捕まってしまった魚の絶体絶命な状況を再現しているかのような光景です。

しかし、空くんにとって、このけりぐるみは単なるストレス発散の玩具ではありませんでした。他の同居猫には渡したくないこだわりがあるようなのです。
他のねこに貸してくれない pic.twitter.com/XO4C1LXf4y
— RaiRai (@laylay_rai) July 18, 2025
空くんの普段の様子について飼い主さんにお話を聞いてみると、空くんはこのけりぐるみシリーズがとても大好きで、他の玩具には興味を示さずよく蹴り蹴りしているのだそう。この日もリュウグウノツカイを独占する空くんを見て、「あぁ、、また、、やってる、、」と感じた飼い主さん。あまりにも見慣れた光景に思わず苦笑いしてしまったそうです。
一方、他の猫がけりぐるみに手を出してきた時の態度は、すべて同じというわけではありません。空くんにとって、リュウグウノツカイを使っていい子と駄目な子がいるそうで、いい子の場合は使っていても遠目に見ているけれど、ダメな子が使っている場合は怒って取り返しにいくのだとか。これは人間界でもよく見られる行動。猫同士の関係性も意外と複雑なのかもしれませんね。
この後、リュウグウノツカイを抱えたまましばらく過ごすと、不意にけりけりし始めた空くん。狩猟本能を発散して存分に楽しんだようです。

空くんは3歳のオス猫。飼い主さんのお家にやって来たのは生後2カ月齢くらいの頃、兄弟猫の海(うみ)くんと一緒に保護されたのがきっかけでした。性格は一見マイペースで飄々としているように見えるけれど、実は優しくて気遣いのできる繊細な子なのだと言います。
「うちにきた頃から、怖がりな兄弟猫の海(うみ)を守っていました。先住猫に海が意地悪をされるとすぐに助けに行って、意地悪してる子を後ろから一生懸命ポカポカ叩いて助けていたんです。今ではその先住猫よりも体が大きくなったので、ケンカをしても負けなくなりました。本来はケンカもしたくないような優しい性格の子だったと思うのですが、、海を守るために強くならざるを得なかったのかもしれません。」
(飼い主さん)
先住猫にも負けない勇敢な空くんですが、兄弟猫の海くんには何をされても怒らないという寛容な一面も。さらに、昨年3月に弟分の琉(りゅう)くんが仲間入りすると、お家に慣れるまで常に側にいてあげて先住猫から守ってあげるなど、よき兄貴分として存在感を放っているそうです。

そんな猫たちを温かく見守っている飼い主さん。これまでに4匹が虹の橋を渡るのを見送り、現在は5匹の猫と暮らしているそうですが、どのような思いで猫を迎え入れてお世話しているのでしょうか。
インタビューの最後に聞いてみると「私のこれまでの人生、嬉しい時も辛い時も常に猫が側にいてくれました。あの時もっとこうしてあげれば…という後悔は尽きません。ですが、そういった思いを糧に、今いる子やこれから出会う子を幸せにできればと思います。別れはもちろん悲しいですが、それでも暖かい家を必要とする子はまだまだたくさんいます。できる限り、1匹でも多く暖かい家に迎えてあげたいと思っています。」と、不幸な猫に寄り添う気持ちが伝わってくる慈悲深い思いを語ってくれました。