享年14歳、映画「ボブという名の猫」で世界を魅了した人気ネコ「ボブ」が死去…続編は公開予定
ホームレスと野良猫の友情を描いた映画「ボブという名の猫」に主演していた茶トラ猫の「ボブ」が、2020年6月15日に亡くなったことを飼い主であるジェームズ・ボウエンさんが発表しました。
2007年、イギリス・ロンドンでプロミュージシャンを目指していたジェームズさん。
しかし夢は叶わず人生に目的や目標も持てないまま自暴自棄になってしまい、家族にも見放され、薬物中毒で精神的に不安定なまま路上生活を送っていたところ、突然目の前に現れたのが当時野良猫だった「ボブ」です。
ジェームズさんは怪我をしていたボブを獣医の元に連れていき、治療をしてもらい飼い主を捜していましたが、やがてボブの世話をするようになり、自身にとって毎朝起きる理由を与えてくる存在へと変化。
2人は支え合い、互いの人生を変えていく――。そんな元ホームレスと野良猫の心温まる友情を綴ったノンフィクション小説「ボブという名のストリート・キャット」は全英で150万部を超えるベストセラーとなり、これまでに世界30ヵ国以上で翻訳&出版されているほか、続編2冊とあわせて1,000万部を超える大ヒットを記録しています。
日本では2013年に「奇跡体験!アンビリバボー」の番組内で「奇跡の猫ボブ 人生ドン底男ジェームズとのキズナ」として紹介され話題になったほか、2017年には実写化した映画「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ」が全国で上映。
原作者のボウエンさんと愛猫ボブが来日してトークショーを行い、会場に訪れた多くの観客を魅了していました。
その後も、世界中を旅しながらイベントやサイン会などでファンとの交流を楽しんでいたという2人。
亡くなる前日の6月14日にはインターネットによるライブ配信が予定されていましたが、当日急遽キャンセルになったことが発表されていることから、ボブの体調が急変したことがうかがえます。
つい先日まで元気な姿を見せていたにもかかわらず、虹の橋を渡ることになってしまったボブ。
もともと野良猫であったことから正確な年齢は分かっていませんが、公式情報によると少なくとも14歳(人間の年齢に換算すると72歳)には達しているとのこと。
飼い主さんのボウエンさんはボブの死去に伴い、Facebookページで以下のコメントを発表しています。
「ボブは私の命を救ってくれました。彼は私に仲間以上のものを与えてくれました。彼が側にいてくれたおかげで、私は自分が見失っていた方向性と目的を見つけることができました。」
「本や映画を通して一緒に成し遂げた成功は本当に奇跡的な体験で、彼は何千人もの人々に会い、何百万人もの命に触れてきました。これまで彼のような猫は存在しなかったし、これからも二度と現れないでしょう。人生の光が消えたような気がします。彼のことを忘れることは決してありません。」
このコメントに対してファンや読者からは「ボブに幸せを与えてもらった」「ボブは私にとっても特別な猫です」「どうか安らかに眠ってほしい」「自分も愛猫を失ったことがあるから悲しみが分かります」「ジェームスにたくさんの愛を」など、ボブの死を悼んだりジェームズの心に寄り添うメッセージが続々と投稿。
また、イギリスのツイッターでトレンド入りしたハッシュタグ「#RIPBob」は世界中に広がり、大勢の人がボブとの思い出や追悼の言葉を綴っています。
そんな多くの人々に愛されたボブですが、2020年後半には第2弾となる映画「A Gift from Bob」(邦題:ボブがくれた世界)の公開が予定されおり、最後に今一度まだ見ぬボブの姿を目にすることができそうです。
<参考>
・主人公と主役ねこが来日!ホームレスと野良猫の友情を描いた実話映画「ボブという名の猫 」
・人間の年齢で100歳に相当する美魔女猫の「あなご」が逝去、18日までお別れの場を提供中
(C) James Bowen & Streetcat Bob