干支になれなかった猫にも注目ニャ!30点の初公開作品を含む動物の日本画展が京都で開催

京都市右京区にあるミュージアム嵯峨嵐山文華館(さがあらしやまぶんかかん)で8月1日から、企画展「いきものがたり 〜十二支になったいきものと、なれなかった猫たち-〜」が始まります。

嵯峨嵐山文華館の企画展「いきものがたり 〜十二支になったいきものと、なれなかった猫たち-〜」メインビジュアル

同館は嵯峨嵐山で誕生したと伝えられる百人一首の歴史やその魅力をはじめ、同地にゆかりのある芸術や文化などを伝えるために建てられた施設。

石段を上がり、冠木門をくぐって足を踏み入れると、四季折々の自然や風景を楽しめる石庭が広がっています。

嵯峨嵐山文華館の施設外観イメージ
嵯峨嵐山文華館

1Fの常設展示では百人一首の誕生から現代の競技かるたに至るまでの変遷を紹介しているほか、1Fと2Fのギャラリースペースでは、特定のテーマに沿った作品を展示する企画展が期間限定で行われています。

百人一首の歴史を紹介する嵯峨嵐山文華館の常設展示コーナー
常設展示コーナー
嵯峨嵐山文華館の2Fにある120畳の大広間、畳ギャラリー
2Fの畳ギャラリーは120畳の大広間

8月からはネコ好きな人には気になる企画展が開催。
テーマは「いきものがたり」です。

古代中国に起源があるとされる十二支。ネズミからイノシシまで12種類の「いきもの」が割り当てられていますが、それらの動物は古来より多くの芸術家たちの題材となり、絵画や工芸などさまざまな分野で表現されてきました。

ベトナムなど国によってはネコが含まれている場合もある一方で、日本では古くから親しまれてきたネコがなぜか十二支に選ばれておらず、その理由については諸説ありますが、今でもたびたび話題にのぼるなど人々の興味を惹きつけています。


本展はそんな干支になったいきものたちの近世日本画と、猫をはじめとする選ばれなかったいきものたちの作品を紹介する企画展で、3章構成で作品を展示。

第1章は十二支に選ばれた「いきもの」に焦点を当て、1Fのギャラリースペースでは江戸時代初期の画家・狩野探幽の巨大な「雲龍図」や、大正昭和の日本画壇を風靡した画家・前田青邨による「宇治川の先陣争い」の馬など、12種類の「いきもの」を表現した作品が展示されます。

狩野探幽 「雲龍図」 福田美術館蔵
狩野探幽 「雲龍図」 福田美術館蔵
森祖仙 「親子猿図」 福田美術館蔵
森祖仙 「親子猿図」 福田美術館蔵
大橋翠石 「猛虎之図」 福田美術館蔵
大橋翠石 「猛虎之図」 福田美術館蔵

続く第2章は十二支に選ばれなかった、猫をはじめとするいきものたち。

2Fのギャラリースペース前半では、円山応挙の弟子で江戸中期に活躍した画家・長沢芦雪による「猫と仔犬図」や、風景画で有名な浮世絵師・歌川広重が描いた「美人と猫図」などの絵画が展示されます。

長沢芦雪 「猫と仔犬図」 福田美術館蔵
長沢芦雪 「猫と仔犬図」 福田美術館蔵
歌川広重 「美人と猫図」 福田美術館蔵
歌川広重 「美人と猫図」 福田美術館蔵
川合玉堂 「紅梅猫児」 福田美術館蔵
川合玉堂 「紅梅猫児」 福田美術館蔵
司馬江漢 牡丹と猫図
司馬江漢 牡丹と猫図
橋本関雪 芍薬白猫図
橋本関雪 芍薬白猫図

最後の第3章は「嵐山の周辺に棲むいきものたち」。

同館の側を流れる大堰川(おおいがわ)に生息するサギやウから、普段は簡単に見ることのできないタヌキやシカまで、自然あふれる嵐山周辺のいきものを描いた作品が2Fのギャラリー後半で展示されます。

いきものがたり 〜十二支になったいきものと、なれなかった猫たち-〜

期間:2020年8月1日(土)〜10月11日(日)
時間:10:00〜17:00
休館:火曜(祝日の場合は翌日)
料金:900円、高校生 500円、小中学生 300円

会場:嵯峨嵐山文華館

京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町11

<参考>
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画像提供:Saga Arashiyama Museum of Arts and Culture

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