昔飼っていた猫とそっくりな子を見かけたら…追う?追わない?見た目が瓜二つのキジトラ猫を目撃した男性の実体験を聞いてみた
猫は大切な家族の一員で、失った時には深い悲しみや喪失感を感じるものですが、一緒に過ごした大切な日々の記憶は、月日が経っても忘れ去られることはありません。
しかし、もし外を歩いている時に、そんな昔の飼い猫とそっくりな子を見かけた場合、貴方だったらどうしますか?足を止めて見入ってしまうのはもちろん、後を追いかけたくなってしまう人も少なくないでしょう。
北陸地方の路地を撮り歩いている「ぽこたろう」さんも、最近そのような経験をした一人。
ある日、日本三大朝市の一つに数えられる石川県輪島市の朝市を訪れて買い物を楽しんでいたところ、一匹のキジトラが歩いているのを目撃。その猫の容姿は小さい頃に飼っていたキジトラ猫に瓜二つだったと言います。
キジトラは昔から私たち人間と暮らしてきたイエネコのルーツとなる毛柄で、日本でも個体数が一番多いと言われている猫。当然、街中で見かけることも多く、見た目が似ている子も多くなる傾向にありますが、同じ柄の猫であっても体の大きさやライン、耳の大きさや形、模様の一部が微妙に違うなど、飼い主さんにしか分からない特徴があったりします。
路地の散策が趣味のぽこたろうさんにとっても、歩いている時にキジトラを見かけることは珍しくないそうですが、この時目撃した猫はあまりにも昔飼っていた子にそっくりだったため、後を少し追いかけてみることに。
そこから50〜100メートルほどの距離を歩いたのち、一軒の喫茶店の前で立ち止まった猫ちゃん。まるでお店にお客さんを誘導しているかのような行動ですが、その後すぐに何処かへ行ってしまったことから、ぽこたろうさんは喫茶店の前で取り残された形になってしまいます。
そこでお店の中に入ってみると「いらっしゃいませ。好きなところにどうぞ。」と笑顔で迎え入れられた、ぽこたろうさん。レトロなムードが漂う店内は、落ち着いた色合いの家具や可愛らしい小物が飾られていて、アットホームな雰囲気のお店。
しかし、席にメニューが置かれておらずお店の人に聞かれることもなかったため、勝手が分からずに座っていると一杯の珈琲が出てきたのだそう。
「その喫茶店は地域の常連さんたちが集うお店でした。皆何となく入ってきて「あらぁ、アンタかいね。」と親しげにカウンターに腰掛けていく。お客同士であんなに親しげに話してたのに1人が帰ったあと「今の人誰やっけ?」なんてやり取りもあったり、なんだか温かい憩いの場でしたよ。」
(ぽこたろうさん)
初めて入ったお店で、人生の先輩達のトークを耳にしながら、ゆったりと珈琲を飲んで寛いだぽこたろうさん。
飲み終わってカウンターに向かった時に、笑顔で対応してくれたお母さんの表情が印象的だったのだそうで、お代を支払って店を後にしたと言います。
お店を出ると、近くの民家の日陰には、先ほど道案内してくれたキジトラ猫の姿が。その後、再びお客さんを探しに行ったのか、朝市のメイン通りの雑踏に紛れて行ったのだそうで、何とも不思議な行動をするこの猫ちゃん。ぽこたろうさんによると、喫茶店との関係性は不明ながら、おそらくこの辺りの地域猫ではないかとのこと。
撮影者のぽこたろうさんは、北陸の町並みや風景写真を撮り歩くのがライフワークで、撮影した写真は自身のSNSで公開中。街歩きをしながら写真を撮っていると、その土地土地で暮らす猫を撮るチャンスも多そうな気がしますが、公開されている写真の中にはそれほど多く見られません。
その理由について聞いてみると、「猫から好かれていないのか、街中で見かけてカメラを向けると、わりとすぐ逃げられちゃうんです。でも今回見かけた猫は、距離をとりながらも特に警戒する様子もなく歩いていました。」と、普段は猫からあまりカメラ目線をもらえない様子。
一方で猫を見かけること自体は少なくないそうで、「猫は知らない路地の案内人です。こんなところがあったのか、こんな細い道を知ってるのかと驚かされることが多く、自分の撮る写真には猫がウロウロしていた場所もたくさんあります。」と、猫に出会った時の様子について回想。街歩きをしている途中に猫の後を尾けてみると、普段とはひと味違った光景が見られるかもしれませんね。
猫との不思議な遭遇体験を語ってくれた、ぽこたろうさん。9月には新しいシリーズのフォトブック「ぽこたろうの北陸喫茶帳」を刊行予定。
今回キジトラ猫と出会った地域の喫茶店を巡った記録を収録した書籍で、地域に根付いた長く愛されている喫茶店がフルカラーで紹介されています。
<参考>
・赤い鳥居と黒猫のコントラストが神秘的!鳥居の隙間から一匹の猫が出現→誘うように歩き出す光景が異世界すぎる
・ビートきよしさんが猫とのツーショットを公開!ネコ好きなのか?実際に聞いてみた→猫を前にした時の意外な行動も判明