フレディ・マーキュリーの愛猫もリアルに再現!羊毛フェルト作家・熊木早苗さんの個展が開催中

羊毛フェルト作家の熊木早苗(くまき さなえ)さんによる個展「桜宵一刻(さくらよいいっこく)」が埼玉県の蕨市立歴史民俗資料館で開催されています。

メインビジュアル

会場で展示されているのは、一瞬、本物の猫がそこにいるように見える作品の数々。

美しい毛並みに、柔らかい丸みを帯びたボディ、キラリと光る澄んだ瞳。羊毛(ウール)を用いて作った人形でありながら、まるで命を吹き込まれた猫のように、今にも動き出しそうな生き生きとした迫力を携えています。

会場イメージ
実際の展示風景
「エジプシャンマウのティティ」
「Aim-狙う」ベンガル

作者の熊木さんは、10年ほど前に可愛がっていた飼い猫を亡くし、心身が疲弊してペットロスのような状態の時にある催しで出会ったのが、羊毛フェルトで出来た猫。その猫を見て癒されるのを感じると同時に、自分でも作りたいという思いが沸きあがり、すぐさま教室に通って羊毛フェルトの技法を学び始めることに。

「その当時、保護猫の会から2匹の猫を迎えていましたが、1匹の乳がんが分かり、1年と持たずに亡くなってしまいました。相次いでもう1匹も乳がんと診断され、この子が元気なうちに作りたいと思いました。」
(黒木さん)

いざ作ろうとして、猫の耳の位置・口もと・体の作り・毛並みなどを細かく見てみると、思っていたよりも複雑で、立体化するのに分かっていないことが多すぎて愕然。約2年半かけて基礎を学びながら、どうすればリアルに作ることができるのかを追及し、毎日夢中で制作を続けたと言います。

それから3年ほど経過して、雑誌で紹介されたことを機に作家として活動を開始。2018年には作品がタイの王族ソムラップ殿下の目に留まり「チェンマイ・日本有効美術展」に特別枠で出展したのを皮切りに、イタリア、ウィーン、マルタ共和国、ロンドンの展示会にも出展して各地で賞を獲得しているほか、今年の3月には西日本最大級のアートイベント「第25回オアシス2020」にて大阪府知事賞を授与されるなど、羊毛フェルトアーティストとして国内外で活躍しています。

会場にはそんな熊木さんが制作した猫の作品、全23点が展示されていますが、実在する猫をモデルにした作品は5点ほどで、あとは全て創作の猫。

実在の猫をモデルにした「ノルウェージャンのミウ」

制作する際には飼い猫の体を触って骨格・筋肉・肉付きなどを確認したり、猫の動画を見てポージングの研究を行ったり、インターネットで色んな猫を見てインスピレーションを受けながら一体ずつ作り上げており、とりわけ人を惹き付ける猫の瞳、その美しさや目の力強さにこだわって制作しているのだとか。

作品を作るうえで猫にストーリー性を持たせるようにしているのも特徴的で、中にはユニークな作品も。

例えば「ディライラ」と言う名の作品。

「ディライラ」

これは熊木さんがイギリスの人気ミュージシャン「クイーン(Queen)」好きが高じて作られた作品で、2018年に公開された映画「ボヘミアン・ラプソディ」を観たときに、今は亡きフレディ・マーキュリーへ捧げるつもりで彼の愛猫をモデルに制作。30年以上も前に生存していた猫のため、参考にする画像が少なかった点に苦労したと言います。

また、オーストリアの首都ウィーンにあるシェーンブルン宮殿での展示が決まった時、関連付けをして作品を作ろうと考えだしたのが、ヨーローッパ宮廷一の美貌と言われたオーストリア帝国のエリザベート皇后。

美しく気品のあるエリザベートが、白いドレスを纏い振り向いている絵から着想を得て、白い長毛種の作品「シシィ」が誕生しています。

エリザベート皇后(Public Domein
「シシィ」

その他にも、テレビアニメ「鬼滅の刃」の主題歌「紅蓮華」などで知られる歌手のLiSAさんのバックダンサーがとても格好良かったことから作ってしまったという「王牙」(おうが)など、自身が好きな絵や小説、音楽、漫画などからも発想して作品に反映させており、羊毛フェルトで作った猫のアート作品の中でも独特な存在感を放っています。

「王牙」
「猫帝釈天」
「ようこそニャッポンへ」
「マリー・アントワネットのように」

熊木早苗さんの個展は、蕨市立歴史民俗資料館にて5月2日(日)まで行われており、来年にはドバイワールドトレードセンター、フランス・ルーヴル美術館のアートフェアにも出展が予定されています。

<イベント概要>
名称:熊木早苗 猫ウールアート「桜宵一刻」個展
期間:2021年2月28日(日)~5月2日(日)
時間:9:00〜16:30
休館:月曜日
入場:無料

会場:蕨市立歴史民俗資料館 2階

埼玉県蕨市中央5丁目17番22号

<参考>
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画像提供:KUMAKI SANAE

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