野良ネコが衰退したサイバーシティの謎を解き明かす「Stray」注目の猫プロジェクトがゲーム化

退廃した都市の中を猫が歩き回り、謎を解き明かしていくアドベンチャーゲーム「Stray(ストレイ)」が商品化されることが発表されました。

薄暗いネオンサインに照らされた路地のイメージ by 猫のアドベンチャーゲーム「Stray(ストレイ)」
猫の視線の先にいるのは…

古びた建物が寄せ集まり、壁は落書きで埋め尽くされ、いたるところに瓦礫が散乱する廃れた街。そこで暮らしているのは人間――ではなく、人型のロボット。

ゲーム世界の住人であるロボット(人造人間)たち by 猫のアドベンチャーゲーム「Stray(ストレイ)」
サイバーパンクな世界観

ゴミを漁ったり道端でうずくまったり、店の前で立ち話をしたり、床屋のような場所で頭部を整えたり。それぞれのロボットが異なる日常を過ごす光景は、さながら人間世界であるかのようです。

そんな街を颯爽と駆け回るのが一匹の茶トラ猫。

猫のアドベンチャーゲーム「Stray(ストレイ)」の主人公である野良の茶トラ猫
私のことですニャ

無機質な世界とは一線を画す生身の体としなやかな動きで、雑多な街中を縫うように歩き回り、時折見せる何かを確かめるような素振り。そして背中には何故かリュックが。

この猫はいったい何をしているのか――。プレイヤーとなって物語の謎に迫ります。


このゲームはもともと、2名のフランス人クリエイターが実験的な開発プロジェクト「HK project」として2016年に発表。当時公開されていたのはグラフィックや短いアニメーションなどで、世界観や実際にゲーム化されるかどうかについては謎に包まれていました。

今回はリリース予定日が2021年に決定したと同時に、1分40秒の予告映像や大まかなストーリーも公開され、ゲームの全体像が明らかになりつつあります。

舞台は永きにわたり忘れ去られてしまったサイバーシティ。

ゲームのワンシーンである薄暗いネオンサインを見つめる猫 by 猫のアドベンチャーゲーム「Stray(ストレイ)」
何かをじっと見つめる猫

ロボットたちが生活をする近未来的な都市ながら、薄暗いネオンサインに照らされた路地や、怪しい雰囲気に包まれたさびれた裏通り、古びた建物や住人たちが街の衰退を象徴。

壁の落書きには「RIP HUMANS(人間よ安らかに眠れ)」といった文字を確認できるなど、人類が過去に滅びてしまったことが示唆されています。

ゲームの舞台となる忘れ去られてしまったサイバーシティ by 猫のアドベンチャーゲーム「Stray(ストレイ)」
人型ロボットが行き交う街
人類が滅亡した世界観を表現 by 猫のアドベンチャーゲーム「Stray(ストレイ)」
壁には「RIP HUMANS」の文字が

主人公は家族からはぐれてしまい、見知らぬ世界に迷い込んだ一匹の野良猫。この街を脱出して故郷に帰る方法を見つけるためには、古代の謎を解き明かさなければなりません。

ゲームは第三者の視点から猫の行動を追いかけるような形で展開。

おお店のカウンターにすわるロボットと猫 by 猫のアドベンチャーゲーム「Stray(ストレイ)」
お店で情報収集ニャ
謎を解くために街中を歩いて観察する猫 by 猫のアドベンチャーゲーム「Stray(ストレイ)」
何かを目撃してしまった猫

猫は高い所へ登ったり低い所を歩いたりしながら、予期せぬ脅威から身を守り、異世界の謎を解明していきますが、謎を解くためにはじっくりと観察したり頭を使うことが必要。また、時には忍び足で、時にはすばやく、場合によっては滑稽な動きが求められるほか、奇妙な住人たちに対処しなければならないことも。

そしてゲームの途中では「B12」と名乗る空飛ぶ小型ドローンと遭遇。友だちとなったドローンとタッグを組み、助け合いながらこの異世界からの脱出を目指します。

開発者はフランス南部を拠点にゲームを制作する少数精鋭のクリエイター集団「BlueTwelve Studio」。実はチームメンバーの大半が猫を飼っていて、ゲーム制作の参考資料として活躍しているのだとか。

ゲームのインターフェイスおよび字幕は日本語をはじめ14言語に対応するほか、詳細な発売日は未定ですが、2021年中にPlayStation5とPC向けに発売される予定となっています。

<参考>
雨が振り続ける街の謎を解き明かせ!ネコが主人公の冒険ゲーム「Rain City(レインシティ)」
主人公はハードボイルドな黒猫探偵!50年代のNYを舞台に暗い闇を暴いていく「Blacksad」

(C) BlueTwelve Studio

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