絶滅危惧種のネコ科動物「ツシマヤマネコ」の啓発イベントが神戸どうぶつ王国で開催
絶滅の危機に瀕しているネコ科動物「ツシマヤマネコ」の現状や、保護・保全などについて啓発するイベントが3月23日から2日間、兵庫県にある神戸どうぶつ王国で開催されます。
ツシマヤマネコは体がイエネコよりも一回り大きく、胴長短足のボディには淡い黄色の斑点模様があり、額の縦じまや丸い耳先、耳裏の白い斑点、太いしっぽなどを特徴とした愛くるしい容姿をしていますが、野生の個体は長崎県の対馬に70頭〜100頭未満しか生息していないと推測されており、国の天然記念物にも指定されている絶滅の危機に瀕した動物です。
そんなツシマヤマネコを取り巻く環境を多くの人に知ってもらうため、イベント期間中は神戸どうぶつ王国に長崎県対馬市から職員が訪れ、同園と共同で様々な催しを企画。
ツシマヤマネコをモチーフにしたエア遊具や、対馬の森を調査する体感ゲーム、対馬のさまざまな情報展示など、人とヤマネコがともに生きる対馬の魅力に触れられる機会となっています。
「絶滅危機からの脱出」~ツシマヤマネコを救出せよ!~
ツシマヤマネコが生息する島・対馬(つしま)に関するミッションをクリアして「ツシマヤマネコエア遊具」を体験できるイベントです。
時間:10:30~12:00/14:00~17:30
対象:誰でも参加OK(エア遊具は小学生以下のみ)
ネイチャーゲーム「対馬の森を大調査」
ツシマヤマネコが減っていく原因などを実感・体感出来るゲーム。体を動かして楽しんでいるうちに、ツシマヤマネコの適切な生息地の重要性と、変化し続ける生態系で野生生物の個体数に影響を及ぼす要素について学ぶことができます。
時間:13:00~
対象:誰でも参加OK
対馬インフォメーションキャンプ
長崎県の対馬はかつて大陸とつながっていた自然豊かな国境の島。そんな対馬市からナビゲーターが訪れて島の魅力を伝えるほか、ツシマヤマネコ折り紙やペーパークラフト体験なども開催されます。
時間:10:00~17:30
野生のツシマヤマネコが生息しているのは対馬のみですが、国内では現在8つの動物園が繁殖を目的に飼育を継続中。
井の頭自然文化園(東京都)、よこはま動物園ズーラシア(神奈川県)、富山市ファミリーパーク(富山県)、東山動植物園(愛知県)、京都市動物園(京都府)、福岡市動物園(福岡県)、九十九島動植物園森きらら(長崎県)、沖縄こどもの国(沖縄県)
今回、啓発イベントが行われる神戸どうぶつ王国ではツシマヤマネコの飼育は行われていませんが、ツシマヤマネコの生息域内で彼らの餌場を確保するために減農薬で生産している「ツシマヤマネコ米」を定期購入することで、現地の田んぼ拡大などを通じて保全の協力を行っています。
また、同園にある生物多様性普及啓発型レストラン「WILD CATS」では、ツシマヤマネコ米を使ったカレーライスやハヤシライスを販売しており、来園者がそれらを消費することでツシマヤマネコの保全サイクルに貢献できる仕組みを提供。
「①来園者がカレー&ハヤシライスを食べる→②対馬で田んぼが増える→③ツシマヤマネコのエサとなる小動物が増える→④ツシマヤマネコの数が増えて保全につながる」といった循環型の仕組みで、同園の姉妹園である栃木県の「那須どうぶつ王国」でもツシマヤマネコ米を購入して同じ取り組みが行われています。
同園を訪れる機会のあるネコ科好きな人は、カレーやハヤシライスを食べてツシマヤマネコの保全に協力してみては。
<ツシマヤマネコ 啓発イベント>
日程:2019年3月23日(土)〜3月24日(日)
場所:神戸どうぶつ王国
会場:アウトサイドパーク 芝生広場
<アクセス>
兵庫県神戸市中央区港島南町7-1-9
参考:希少種の繁殖に取り組むノンフィクション「ツシマヤマネコ飼育員物語」
(C) KOBE-ANIMAL KINGDOM