猫と人はどのように関わってきたのか?その歴史を紹介する「Life with ネコ展」港区で開催
東京都港区にある郷土歴史館で、ネコと人々との関係を紹介する「Life with ネコ展」が7月16日(土)より開催されています。
2018年に開館した港区立郷土歴史館は、域内で出土した縄文土器やクジラの骨格標本など、本物に触れたり、プロジェクションマッピングやタッチパネルを活用しながら、港区の自然・歴史・文化を学ぶことができる施設。
建物は、昭和13年に建築された旧公衆衛生院を保存改修して活用した歴史的建造物で、館内にはミュージアムショップやカフェも備えています。
7月からは特別展として「Life with ネコ展」を開催。
日本では、長崎県壱岐市のカラカミ遺跡で2100年ほど前のイエネコの骨が出土するなど、弥生時代にはすでに猫がいたと考えられており、その後は貴族・武士・庶民に愛されたり、書物や絵画などの作品に描かれたり、果ては伝説や信仰の対象にまでなったりしますが、人びとの関わりが密接になるのは江戸時代になってから。
当時の文献や浮世絵からはネコに対する人々の関心が垣間見えるほか、遺跡からは多数の猫を弔ったと考えられる供養塔が見つかったり、丁寧に埋葬されたネコの骨が出土することも。一方で、化け猫伝説などが各地に残り、ネコと人々の関係にはさまざまな側面があったと考えられています。
本展では、今年の干支であるネコ科のトラや、ネコと共に人びとの身近に存在するイヌにも対象を広げながら、ネコやこれらの動物と人々の関わりの歴史を紹介。
ネコ好きな浮世絵師・歌川国芳による作品や、ネコと思われる足跡が付いた土器、加藤清正が討ち取ったと伝わるトラの下顎骨など、さまざまな資料が展示されています。
また、「Life with ネコ展」の会期中は、さまざまな関連プログラムが企画されており、その一例として専門家による無料講座が3回にわたって行われます。
第1回:8月7日(日)
題名:動物考古学からみたネコの渡来と普及
講師:丸山 真史 氏(東海大学准教授)
第2回:8月21日(日)
題名:浮世絵に描かれたネコたち
講師:日野原 健司 氏(太田記念美術館主席学芸員)
第3回:8月28日(日)
題名:江戸時代の犬飼育書 -狆の飼育を中心に-
講師:岩淵 令治 氏(学習院女子大学教授)
実施時間は13:30〜15:00で、定員は各回36名まで。申込は往復ハガキにて受け付けており、応募者多数の場合は抽選となります。
その他にも、猫絵作家・くまくら珠美さんによるネコ絵描き(募集終了)や、サンキャッチャー作り(募集終了)、ネコはんこを使った絵はがき作りなどのワークショップが行われるほか、ギャラリー展「うちのネコ写真展」も同時開催。事前に公募した自慢の愛猫写真の中から約50点ほどの作品が、4階ギャラリーで展示される予定となっています。
名称:Life with ネコ展
期間:2022年7月16日(土)~9月11日(日)
時間:9:00〜17:00
:9:00〜20:00(土)
休館:7月21日(木)・8月18日(木)
会場:港区立郷土歴史館 特別展示室
住所:東京都港区白金台4-6-2 ゆかしの杜内
<参考>
・猫と日本人の1300年におよぶ関わり合い、歴史で猫の足跡をたどる書籍「猫の日本史」
・猫はどのように愛され動物になったのか?日本の歴史で紐解く書籍『猫が歩いた近現代』
・古代エジプトから現代まで、猫と人が歩んだ4000年の歴史を紐解く書籍「猫の世界史」
画像提供:Minato City Local History Museum