ネコを描いた作品も展示!幕末から明治にかけて活躍した天才絵師「河鍋暁斎」の展覧会が開催中
幕末から明治にかけて活躍した天才絵師、河鍋暁斎(かわなべきょうさい)の作品を集めた展覧会が4月16日までBunkamura ザ・ミュージアムで開催されており、その後も高知や京都、石川などの都市で開催される予定となっています。
河鍋暁斎は幼い頃、猫好きな浮世絵師として有名な歌川国芳や、日本絵画史上最大の画派である狩野派などで学んだのち、さまざまな流派や画法を貪欲に取り入れて習得していった異色の画家で、その卓越した画力によって浮世絵や仏画、山水画、戯画、妖怪画、風刺画など実にさまざまな作品を残しています。
一方、明治に入り日本の美術のあり方が模索されていく流れの中で、暁斎は一定の距離を取っていたこともあり、今日では必ずしも日本美術史の中心には位置づけられておらず、日本では存在を知らないという人も少なくありません。
しかしその作品は国内外で高く評価されており、中でも世界屈指の暁斎コレクターとして知られるのがイスラエル・ゴールドマン氏。本展では氏が所蔵しているコレクションを元にした多様な暁斎作品が展示されています。
暁斎は動物を描くのも大変得意な画家で、彼のユニークな感性によって描かれた猫の作品も展示されています。
イスラエル・ゴールドマン コレクション / Israel Goldman Collection, London Photo:立命館大学アート・リサーチセンター
河鍋暁斎「眠る猫」 / 1885-89年 団扇判錦絵
イスラエル・ゴールドマン コレクション / Israel Goldman Collection, London Photo:立命館大学アート・リサーチセンター
このように暁斎のさまざまな作品を鑑賞できる本展ですが、作品をより楽しむためのユニークな音声ガイド(有料)も用意されています。
ナビゲーターを落語家の春風亭昇太さんが担当されているほか、和楽器とロックを融合させた作品で海外からも注目されている「和楽器バンド」がイメージソングを担当。なんと今回のために書き下ろしたという新曲には歌詞の世界観に河鍋暁斎のイメージが反映されており、ユーモア溢れる昇太さんのガイドと迫力のある和楽器バンドのイメージソングを聞きながら作品を楽しむことができます。
また、作品展示のほかにオリジナルグッズの販売コーナーが設けられており、本展の全出品作品を網羅した展覧会図録をはじめ、暁斎作品をモチーフにしたスマホケースやマスキングテープ、トートバッグなど、会場でしか購入できないオリジナルグッズが販売されています。
イベント概要
名称:ゴールドマン コレクション これぞ暁斎! 世界が認めたその画力
期間:2017年2月23日(木)~4月16日(日)
時間:10:00〜19:00
:10:00〜21:00(金土)
※入館は閉館30分前まで
休館:なし
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
東京都渋谷区道玄坂2-24-1
本展は東京での会期後、以下の会場でも開催が予定されています。
■高知県立美術館
2017年4月22日(土)~6月4日(日)
高知県高知市 高須353-2
■美術館「えき」KYOTO
2017年6月10日(土)~7月23日(日)
京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町
ジェイアール京都伊勢丹7F隣接
■石川県立美術館
2017年7月29日(土)~8月27日(日)
石川県金沢市出羽町2-1
本展の展示作品はイギリス在住のコレクターによるコレクションのため、普段は日本では見ることができない作品ばかりとなっていますので、興味のある方はこの機会に足を運んでみてはいかがでしょうか。