猫の飼育費用は年間どれくらい!?2019年の支出額1位はフード、前年比1位は防災用品

ペット保険のアニコム損保から、ペットにかける年間支出調査の最新版データ(2019)が発表されました。

こちらをじっと睨む猫のイメージ写真
愛猫にお金、使ってる?

これは同社のペット保険契約者5,000名以上から得られた回答をもとに、2019年の1年間にペット1頭にかけた年間支出費用をまとめたもので、犬や猫をはじめ、うさぎ・鳥・フェレット・ハムスター・ハリネズミなどの小動物が対象。

本記事ではその中から、猫に関する支出についてどのような結果や変化が見られたのか紹介していきます。

まずは2018年と2019年の全体比較から。

2018年と2019年の「猫に関する年間支出額&猫の飼育費用」
※年間支出金額100円未満の項目は除外

2019年の猫の飼育費用は平均で158,672円。昨年から2,200円ほど減少していますが、前年比で見ると98.6%と若干マイナスになった程度で、支出全体ではそれほど大きな変化は見られません。

続いては2019年の支出金額が多い順に並べて比較。各項目が支出全体の中でどれくらいの割合を占めているのかを示す構成比も併記してみます。

2019年の「猫に関する年間の支出額が多いランキング」
猫の支出額ランキング

猫を飼育するのに一番お金がかかっているのは「フード・おやつ」で約50,000円。

これは支出全体の3割に相当する金額で、1ヶ月あたりでは4,000円ほど支出していることになります。ドライフードの場合だと1ヶ月分の量を2,000円くらいで購入できる製品も少なくありませんので、その倍の金額を支出しているということは、健康志向の高まりからより良質なフードを与えているのか、それとも愛猫が喜ぶ姿を見たくておやつ代に奮発しているのか、いずれにせよ飼い主さんの購買意欲が高い項目と言えそうです。


2位は「ペット保険料」で年間約30,000円。こちらも全体の2割を占める大きな支出となっていますが、飼育に必須の4項目(治療費・フード・日用品・光熱費)には含まれないため、保険に加入していない飼い主さんとは支出金額に大きな差が出そう。

ただし、この調査は保険契約者を対象にしており、3位の「病気やケガの治療費」は保険の適用によってこの金額に抑えられていると考えられるので、保険に加入しない場合の治療費が約54,000円(=2位と3位の合計金額)を上回るかどうかというラインは、保険に加入する際の検討材料のひとつになりそうです。

その他には光熱費(4位)、病気予防費(5位)、日用品(6位)による出費が多く、上位6項目で全体の9割を占めていますので、これから猫を飼う人は主な支出項目として覚えておきたいところです。(光熱費は主に猫のために使った冷暖房費、日用品にはペット用見守りカメラや、猫のためのウェアラブルデバイス、おもちゃなど、日常生活で使う製品が含まれます。)

では、前年と比べて変化が大きかった支出項目は何か。前年比の高い順に並べてみたのが次の表です。

2019年の「猫に関する年間支出額の前年比が高いランキング」
猫の支出額 前年比ランキング

前年より支出が多かったのは5項目で、最も拡大したのは「防災用品」の226%。

相次ぐ災害の教訓を踏まえ、日頃からどのような備えが必要なのか様々な方面から周知されるようになったことに加えて、昨年は関東甲信地方や東北地方で大きな被害をもたらした台風19号が上陸。

その際、「猫を飼っているので避難できなかった」という中学1年生の男子が消防ボートで救出されたニュースが大きな反響を呼んだことから、猫の飼い主さんが防災を我が事として捉えるようになった契機と見る向きもあります。

2位は「洋服」の753円。最近ではペットショップだけでなく、100円ショップや300円ショップなどでもペット用の洋服を取り扱っているため、手頃な価格で楽しめるようになってきたほか、3位の「首輪・リード」はこちらも災害対策の機能を備えたアイテム。昨年は猫の首輪の作り方を紹介した書籍なども登場するなど、いずれもトレンドの製品ジャンルと言えそうです。

4位の「フード・おやつ」は前年比で見ると116%と高くはないものの、金額ベースでは7,000円近くも増加。上位の項目が数百円程度しか増えていないことを考えると、やはり飼い主さんの需要の高さが際立っています。

猫がおやつを食べるイメージ写真
猫の食いつきもハンパないニャ

逆に最下位のサプリメントは前年比59%と大幅に低下しているほか、6位以下の8項目はすべてが前年比で低下しており、全体的には少しお財布の紐が固くなっているという結果となりました。

猫を現在飼っている人は支出の見直しに、これから猫を飼いたいと思っている人にはどれくらいの支出がありそうなのか参考になりそうなデータですね。

(C) Anicom Holdings, Inc.

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