超ビッグボディな猫のソプラノ君、そのぽっちゃり体型の理由は…盲目で運動が苦手な猫ちゃんだった

一般的な成猫の平均体重は3~5kgくらいと言われていますが、もちろんそれよりも体の大きな猫ちゃんもいます。

黒白猫のソプラノ君はとってもふくよかな体をしたの男の子。

盲目で体がとっても大きな白黒猫、ソプラノ君
ビッグボディな猫ちゃん(写真提供:飼い主さん)

毛艶が良さそうな丸みを帯びたボディは、太っているようにも筋肉質なようにも見えますが、猫にしては大きすぎる巨体。普通の猫が中にすっぽりと入ってしまいそうなほど立派な体格と、ちょこんと乗った小さな顔とのギャップがまるでぬいぐるみのようで、とても可愛らしい居住まいです。

このソプラノ君がこれほど恰幅の良い猫ちゃんなのは、単なる食べ過ぎ…という訳ではなく、ある理由がありました。

それは盲目であるということ。目が見えないために運動や動くことがあまりできず、その結果として肉付きが良くなってしまい、現在は獣医師による指示のもと食事制限をしながら生活していると言います。

体重計に乗るビッグボディな白黒猫のソプラノ君
ぼくの体重は秘密ですニャ

ソプラノ君が飼い主さんのお家にやってきたのは、まだ小さな子猫だった頃のことで、保護猫の譲渡会で出会ったのがきっかけ。当時、お家には先住猫が一匹いたものの、飼い主さんの身内の方が一目惚れをしてしまい、新しい家族として迎え入れることに。

その後、去勢手術を受けさせようと動物病院へ連れて行くと盲目であることが発覚。診察した獣医師さんからは、先天的な遺伝によるのものではないかと言われたそうです。

生まれつき目が見えない白黒猫ソプラノ君の子猫時代
当時のソプラノ君

障がいのある猫ちゃんにとって、お家の中で暮らせるのは幸運なこと。とは言え、目が見えないと日常生活に支障がありそうですが、ソプラノ君は毎日どのように過ごしているのでしょうか。

飼い主さんに聞いてみると、1日のうち大半は寝て過ごしているけれど、ご飯を食べたい時やトイレに行きたい時は匂いを辿って、自分でその場所まで行くことができるのだとか。その一方で注意が必要なのは障害物。例えば椅子など固定家具の位置がズレていたりすると、よく頭をぶつけてしまうため、なるべく家具類は動かさないように気をつけているのだそうです。

また、盲目を治せないと言われて以来、ソプラノちゃんが暮らしやすいようにするためにはどうしたら良いのか、日々調べたり試行錯誤を重ねてきた飼い主さん。例えば体を動かして遊ばせたい時には、音が鳴るオモチャでないと反応しないのでそうした商品を探したり、仮に興味を示したとしても怖がってしまうことが多いため、優しく声を掛けながらなるべく安心させられるように心掛けていると言います。

ヘソ天でゴロゴロしてる盲目の白黒猫ソプラノ君
ゴロゴロしてる姿も可愛い

それでも目が見えない怖さから運動不足が続き、体重がなかなか思うようには減らないソプラノ君。飼い主さん的には何とかダイエットをさせたいと思っている一方、ご飯を食べてる時や寝ている時のソプラノ君の姿はとても幸せそうで、複雑な気持ちになってしまうこともあるのだとか。確かに体を動かしづらい身にとっては食事や睡眠が数少ない充足感を得られるひと時なのかもしれません。

ソプラノ君の飼い主さんは漫画家の「刻ぐるた」さんで、現在は電子書籍配信サイト・めちゃコミックで『賞味期限切れの恋をあなたと』を連載中。

お家の中ではソプラノ君の他に、長男のアルト君と末っ子のテナー君という、3匹の猫と共同生活。普段はやんちゃなテナー君がちょっかいを出しに行き、それに対してソプラノ君が威嚇で応戦し、最後に飼い主さんが仲裁に入るというのがパターン化している微妙な関係性。それでも時にはグルーミングをし合ったり、寒い日には一緒に寝たりすることもあるのだと言います。

猫に囲まれて幸せそうな生活を送っている飼い主さんですが、なんと自身は猫アレルギーレベルMAXだというから驚き。それでも猫のことが好き過ぎて10年以上一緒に暮らしている大の愛猫家。SNSのXでは猫たちの写真(ソプラノ君多め)もたくさん公開しています。

茶トラの弟猫テナー君と添い寝する白黒猫のソプラノ君
レアな添い寝シーン

SNSを見たユーザーからは様々な反響が寄せられるのだそうで、以前、ソプラノ君が世間で注目された時には「猫の盲目について聞きたい」という相談のDMがきたこともあり、情報を発信する動機にもなっているのだとか。

「やはり飼い猫が完全に盲目という状態はなかなかない事だと思うので、どうしたら良いか分からず困っている人がいるんだなと気付きました。こんな猫ちゃんもいるんだなと、少しでも知ってもらえたら良いなと思っています。」

そんな飼い主さんにとって猫は生き甲斐そのもの。「私は在宅ワークで深夜も作業をしていますが、猫ちゃんがふらっと部屋に入ってきて全力で邪魔してくれるので、癒しになっています。落ち込んでいる時も察したかのように膝の上に乗ってきてくれるので、心の支えになっていますし、大事な家族です。」と、インタビューの最後に愛情たっぷりの思いを語ってくれました。

取材協力:刻ぐるた(@TOKI_G63)さん

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