猫の絵画や浮世絵などの美術作品を集めた展覧会「猫れくしょん」
東京・銀座の一角にある「ぎゃらりい秋華洞(しゅうかどう)」で2月22日から、猫の絵画や浮世絵などの美術作品を集めた展覧会「猫れくしょん」が開催されます。
同ギャラリーを運営している「秋華洞」は、平安時代から近現代に至る優れた日本美術を広く紹介・販売している画廊で、日本絵画や古書画の目利きに定評のある店主の目を通して選んだ選りすぐりの日本画、書画、版画、浮世絵などの作品を取り扱っている傍ら、海外のアートフェアにも積極的に参加して、HPやSNSなどで海外へ日本美術を発信する活動にも力を入れています。
毎年、猫の日にちなんで開催される企画展「猫れくしょん」は今年で3回目を迎え、会場では歌川広重の名品をはじめ、可愛い猫のおもちゃ絵、台湾の猫描き作家・陳珮怡(チン・ハイイ)など、バラエティ豊かな猫作品が展示されます。
<参加作家>
歌川広重、歌川国芳、歌川国貞、歌川芳藤、川合玉堂、藤田嗣治、諏訪敦、陳珮怡、鈴木博雄など
歌川広重の猫
猫好きの浮世絵師と言えば歌川国芳。猫を懐に入れて絵を描いていたとか、猫の位牌を作るほどだったなどの逸話がありますが、歌川広重も数匹の猫を飼っていて、その飼い猫の様々な様子を写生していたことが伝わっています。
本展では広重の晩年の代表作で全120図からなる「名所江戸百景」より、「浅草田甫酉の町詣」と「猫の鰹節渡り」の作品が展示されます。
上記は天保13年(1842)に制作された作品で、同時期に人気を集めていた高さの異なる杭(くい)を順番に渡る「乱杭渡り(らんぐいわたり)」をパロディ化したもの。中央で傘と「にゃんくい渡り」と描かれた赤い扇を持っている猫が渡っている杭は、なんとカツオブシが描かれています。
また、浮世絵では猫を擬人化した「猫のおもちゃ絵」も見どころの一つ。温泉に入る猫、弥次さん喜多さんに扮した猫、なんと閻魔様になった猫まで。猫の愛くるしい姿を楽しめます。
陳珮怡の猫
東洋随一の猫描きと言われる台湾の若手人気作家、陳珮怡(チンハイイ)さんの作品も展示されます。
猫の毛並みと細かく描きこまれた絨毯はまるで本物のような質感で、昨年行われた日本で初となる展覧会では多くの来場者を魅了し、猫の絵が完売。今回は「弦月」ほか新作も展示される予定です。
また、昨年6年ぶりに画集「諏訪敦 絵画作品集 Blue」を刊行した、画家の諏訪敦(すわあつし)さんによる愛猫のスケッチも展示。
会場に展示される作品の一部は販売されるほか、オリジナルのポストカードやバッジなどの猫グッズも販売される予定となっています。
イベント概要
名称:猫れくしょん
期間:2018年2月22日(木)~2月28日(水)
時間:10:00~18:00
休館:会期中無休
入場:無料
会場:秋華洞内「ぎゃらりい秋華洞」
東京都中央区銀座6-4-8曽根ビル7F
画像提供:SYUKADO Co.,Ltd.