葛飾北斎の絵に猫が…!?「ますむらひろしの北斎展」が6/26から開催

漫画家のますむらひろし氏が描く漫画作品シリーズ「アタゴオル」のキャラクターと、葛飾北斎の浮世絵が合体した異色のイラスト作品展「ますむらひろしの北斎展 ATAGOAL×HOKUSAI」が6月26日から東京都墨田区にあるすみだ北斎美術館で開催されます。

ますむらひろしの北斎展 ATAGOAL×HOKUSAI」

ますむら氏は宮沢賢治の童話作品の漫画化やアニメーション『銀河鉄道の夜』(杉井ギ サブロー監督)の漫画原作者としてその名を知られていますが、代表的なシリーズ作品が、猫と人間が同じ言葉を話し共存する空想世界を描いた「アタゴオル(ATAGOAL)」。


※参考イメージ

立って歩くユーモラスな猫「ヒデヨシ」と個性豊かな住人達を中心に物語が進んでいき、ヒデヨシが起こす数々の騒動をきっかけに新しい発見が「アタゴオル」の世界にもたらされる展開が特徴的なシリーズ作品で、これまでに「アタゴオル物語」「アタゴオル玉手箱」「アタゴオル」「アタゴオルは猫の森」の4シリーズが発表されています。

本展はそんな「アタゴオル」に登場するキャラクターたちが、葛飾北斎が描く浮世絵の中に違和感なく溶け込んだイラストを展示する企画展で、例えば下記は大樽の中で板を削る職人の姿を描いた北斎の絵が元になっている作品(上がますむら氏の作品、下が北斎の元絵)。

尾州不二見原(冨嶽三十六景) by ますむらひろし 尾州不二見原(冨嶽三十六景)/©ますむら・ひろし

葛飾北斎「富嶽三十六景」尾州不二見原葛飾北斎「富嶽三十六景」尾州不二見原

一見すると人物が猫のキャラクターに置き換わっだけのようにも見えますが、よく見ると樽の板がところどころ猫の形になっていたり、樽を固定している台に絵が描かれていたりと、基本は元の絵を忠実に再現しつつも「アタゴオル」の世界観がさり気なく表現された作品になっています。

これはますむら氏が葛飾北斎の浮世絵を模写し、その作品を自分なりに解釈したうえで「アタゴオル」の要素をどのように描いていくのかを考え表現された作品で、言わばますむら氏による北斎の研究作品ともいうべきもの。

そして本展の最大の見どころは、同館が所蔵している葛飾北斎の作品とますむら氏の作品が一部並列して比較展示される点にあります。

葛飾北斎 「冨嶽三十六景 凱風快晴」(後期)、ますむらひろし≪凱風快晴(冨嶽三十六景)≫2009 年発表左:葛飾北斎「冨嶽三十六景 凱風快晴」(後期)、右:ますむらひろし≪凱風快晴(冨嶽三十六景)≫(後期) 2009年発表/©ますむら・ひろし

ますむら氏の作品と氏のイメージの源泉ともなっている葛飾北斎のオリジナル作品とを比較し、北斎の浮世絵との違いを氏の解釈と合わせて鑑賞することで、どちらの作品も様々な角度から立体的に理解できるような展示構成になっているのが特徴です。

また、ますむら氏が同館のために描き下ろした最新作「漁師図」を本展で初公開。細部までこだわり独自の視点で描かれた新たな「漁師図」の魅力を体感することができます。

左)葛飾北斎 「漁師図」(前期)/右)ますむらひろし≪漁師図≫2018年発表©ますむら・ひろし(通期)左)葛飾北斎 「漁師図」(前期)、右)ますむらひろし≪漁師図≫(通期) 2018年発表/©ますむら・ひろし

会場ではその他にも、ますむら氏の貴重な資料を一部展示。

「アタゴオル」シリーズの漫画原稿やイラスト、そのめばえとなった初期作品などの貴重な資料に加えて、筆やシャーペン、万年筆、ペン先、絵具皿など、氏の制作を支えてきた道具もあわせて約140点が展示されます(前後期で一部作品の入れ替えあり)。


<展示構成>

■1章 ますむらひろしの仕事-ATAGOAL の世界
ますむらひろし氏がライフワークとして制作し続けた漫画「アタゴオル」の世界を紹介。

■2章 ATAGOAL×北斎-冨嶽三十六景の世界
ますむらひろし氏の「アタゴオル」と葛飾北斎の代表作「冨嶽三十六景」がコラボレートした「アタゴオル×北斎」の世界を紹介。

■3章 ATAGOAL×北斎-さまざまな作品
ますむらひろし氏の「アタゴオル」と葛飾北斎の「富嶽百景」や「北斎漫画」、「冨嶽三十六景」以外の代表的な風景版 画シリーズなど、さまざまな作品とコラボレートした「アタゴオル×北斎」の世界を紹介。

会場では本展の主要作品を掲載したオールカラーの画集も販売される予定で、ますむら氏の作品と北斎の浮世絵を対比させながら氏による解説もじっくり堪能でき、新しい北斎研究作品として楽しめる一冊となっています。

 

関連イベント

■ますむらひろしトークイベント―アタゴオル×北斎―
日程:2018年7月21日(土)
時間:14:00〜15:30(開場 13:30)
出演:ますむらひろし(漫画家)
  :奥田敦子(当館担当学芸員)
場所:MARUGEN100 講座室
定員:60名
料金:無料(要観覧券 or 年間パスポート)
※当日12:00よりMARUGEN100 講座室の受付で整理券を配布予定

■ますむらひろしサイン会
日程:2018年7月22日(日)
  :2018年8月11日(土・祝)
時間:13:30〜14:30(開場 13:00)
場所:MARUGEN100 講座室
定員:先着100名(予定)
料金:無料
※同館ミュージアムショップで画集またはますむら氏の著作物を購入した人を対象に整理券を配布予定

■スライドトーク「ますむらひろしの北斎展」の見どころ
日程:2018年7月7日(土)
  :2018年8月18日(土)
時間:14:00〜14:30(開場 13:30)
講師:奥田敦子(当館担当学芸員)
場所:MARUGEN100 講座室
定員:60名
料金:無料(要観覧券 or 年間パスポート)

■夏休みミュージアム・シネマ「銀河鉄道の夜」
日程:2018年7月29日(日)
時間:14:00〜15:40(開場 13:30)
場所:MARUGEN100 講座室
定員:70名(事前申込制)
料金:無料(要観覧券 or 年間パスポート)

 

開催概要

名称:ますむらひろしの北斎展 ATAGOAL×HOKUSAI
期間:2018年6月26日(火)〜8月26日(日)
前期:2018年6月26日(火)〜7月29日(日)
後期:2018年7月31日(火)〜8月26日(日)
   ※前後期で展示替えを実施
休館:月曜(7/16は開館)、7月17日(火)

<観覧料>
一般 1,000 円、大高生 700円、中学生 300円、
65歳以上 700 円、障がい者 300 円、小学生以下無料
※AURORA(常設展示室)も観覧可

会場:すみだ北斎美術館

〒130-0014 東京都墨田区亀沢2-7-2

画像提供:(C) THE SUMIDA HOKUSAI MUSEUM