ネコリパブリック、りんご猫(猫エイズ感染猫)だけの譲渡会を開催
日本の猫の殺処分ゼロを目指して全国で保護猫カフェを運営しているネコリパブリックの東京・中野店で2018年1月13日(土)、「りんご猫」だけを対象にした譲渡会が開催されます。
「りんご猫」とは、FIV(猫後天性免疫不全症候群、通称:ネコエイズウイルス)に感染した猫のこと。
猫エイズウイルスに感染している猫と聞くと、「人間に感染してしまうので触ってはいけない」「触った後に他の猫を触ると感染させてしてしまう」などの偏見を持たれがちですが、猫と人間のエイズではウィルスが異なるため、人間はもちろん他の動物へも感染することはありません。
猫同士の場合には、主な感染要因はケンカの噛み傷によるものが多く、グルーミング(毛づくろい)など他の経路による感染力はそれほど強くないと言われています。
また感染した猫でも、無症状キャリアーとよばれる表面的には何も症状が見られない状態が4〜5年、場合によっては10年以上続くことも珍しくなく、猫エイズに感染していない猫と同じくらいの寿命を生きることもあります。
つまり、猫エイズウイルスに感染した猫であっても、症状が発生しなければ一匹だけで飼育する場合や、猫エイズが陽性の猫同士を多頭飼育する場合には、普通の猫を飼育するのと変わりがないということなります。
しかしながら「エイズ」という名のイメージから、保護されてもなかなか譲渡には結びつきにくい現状があるのだとか。
ネコリパブリックでは、こうした猫エイズによる偏見をなくして多くの人に知ってもらうために、猫エイズウイルスに感染している猫のことを「りんご猫」と呼び、普及活動を推進。毎年12月12日を「世界りんご猫デー World Apple Cats Day」に設定し、エイズキャリアの猫に対する正しい知識、予防法、飼い方などの啓蒙活動を行っています。
この度「りんご猫」だけの譲渡会が行われるのは、全国に6店舗の保護猫カフェを展開しているネコリパブリックのお店の中で唯一、猫エイズウイルスに感染している猫ばかりが在籍している、東京・中野店。
当日は通常の猫カフェ営業は休みとなり、無料で入店することが可能。ただし、混雑する場合は猫との暮らしを考えている人を優先的に案内する形となります。
お店で実際にりんご猫と触れ合い、家族として迎えたいと思った場合は専用のアンケートに記入。その後、審査、お届け、トライアルなどを経て正式譲渡となります。
猫エイズウイルスに感染した猫だけを保護して譲渡活動を行っているのは、神奈川県の譲渡型猫カフェ「にゃんくる 川崎店」や、岩手県盛岡市のNPO法人「もりねこ」のキャットシェルターなど、全国的に見てもそう多くはありません。
近々猫を飼いたいと思っていて「りんご猫」に興味を持った方は、足を運んでみてはいかがでしょうか。
参考:猫エイズに感染した「りんご猫」専門の猫カフェ、東京中野に登場
参考:譲渡型猫カフェ「にゃんくる川崎店」猫エイズだけの営業を開始
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