猫を描いた画家・藤田嗣治の没後50年を記念した大回顧展が7/31〜開催
猫を題材にした作品を数多く残している画家・藤田嗣治(=レオナール・フジタ 1886-1968)の没後50年を記念した回顧展が、7月31日から東京都美術館で始まります。
1886年・明治19年生まれの藤田嗣治は26歳の時にフランスに渡り、日本画の技法を油彩画に取り入れた裸婦像が「乳白色の下地」「乳白色の肌」と呼ばれて絶賛されるなど、20世紀初頭にエコール・ド・パリの寵児のひとりとして活躍した画家。
1930〜40年代には日本に帰国して太平洋戦争期の作戦記録画の制作などに取り組みますが、晩年にフランスに帰化して洗礼を受け「レオナール・フジタ」となり、1968年にスイスのチューリッヒで81年の生涯を閉じます。
2018年の今年はそんな藤田嗣治がこの世を去って50年を迎える節目の年で、それを記念して、日本やフランスを中心とした欧米の主要な美術館の協力により、画業の全貌を展覧する大回顧展を開催。
「風景画」「肖像画」「裸婦」「宗教画」などのテーマを設け、最新の研究成果なども盛り込みながら藤田芸術をとらえ直そうとする試みで、会場となる東京都美術館の企画展示室には、藤田の代名詞ともいえる「乳白色の裸婦」の作品10点以上が国内外の美術館から一堂に会します。
その他にも「エミリー・クレイン=シャドボーンの肖像(1922年)」「私の夢(1947年)」「私の部屋、目覚まし時計のある静物(1921年)」「タピスリーの裸婦(1923年)」など、本展が初来日となる作品を含むこれまで紹介されることの少なかった作品が展示されるなど、見どころの多い展覧会となっています。
© Fondation Foujita / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2017 E2833
藤田嗣治 《争闘(猫)》 1940年 油彩・カンヴァス 東京国立近代美術館蔵
© Fondation Foujita / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2017 E2833
また、期間中は記念講演会や学芸員による見どころ解説のイベントなども予定されています。
■記念講演会
<2018年8月4日(土)>
題名:藤田嗣治の人間と芸術
講師:高階 秀爾(大原美術館 館長・東京大学名誉教授)
<2018年8月18日(土)>
題名:藤田嗣治展入門−旅と制作
講師:下倉 久美(東京都美術館 学芸員)
<2018年9月8日(土)>
題名:藤田、上野に還る
講師:林 洋子(本展監修者・美術史家)
時間:14:00〜15:30
開場:13:30〜
会場:東京都美術館 講堂(交流棟 ロビー階)
定員:225名
費用:無料(要本展観覧券/半券可)
※当日13:00より講堂前で整理券を配布し、定員になり次第受付を終了。
■イヴニング・レクチャー
日時:2018年8月10日(金)18:30〜19:00
:2018年8月31日(金)18:30〜19:00
講師:下倉 久美(東京都美術館 学芸員)
会場:東京都美術館 講堂(交流棟 ロビー階)
定員:225名
費用:無料(要本展観覧券/半券可)
※当日開始時間の20分前より開場し、定員になり次第受付を終了。
没後50年 藤田嗣治展
期間:2018年7月31日(火)~10月8日(月・祝)
会場:東京都美術館 企画展示室
時間:9:30~17:30(入室は閉室30分前迄)
<夜間開室>
金曜日は9:30~20:00(入室は閉室30分前迄)
※8/3、8/10、8/17、8/24、8/31は9:30~21:00
<休室日>
月曜日、9/18、9/25
※8/13、9/17、9/24、10/1、10/8は開室
<観覧料>
一般 :1,600円
大学・専門学校生:1,300円
高校生 :800円
65歳以上 :1,000円
※前売・団体は200円引き、団体割引の対象は20名以上、中学生以下は無料
<アクセス>
東京都台東区上野公園8-36