禅師のメッセージ入り!猫寺・御誕生寺の写真エッセイ「寺ねこDAYS ねこはなやまニャい」
福井県にある、猫寺(ねこでら)と呼ばれているお寺をご存知でしょうか。
福井県越前市の郊外にある御誕生寺(ごたんじょうじ)という名のお寺で、元曹洞宗管長の板橋興宗さんが2002年に再建したお寺です。
猫寺の由来とは?
このお寺が「猫寺」と呼ばれている理由はシンプルで、敷地内にいる約30匹もの猫と触れ合うことができるからなんですね。
休日になると猫を一目見ようと全国から人が集まるそうで、30台収容できる駐車場は満車になり、誘導員まで配置するほど人気を集めています。
なぜこんなに猫がいるのかと言うと、お寺の再建当時、ダンボールに入った4匹の猫が捨てられていたのがきっかけでした。
その猫たちを修行僧の方が育て始めたのですが、去勢手術や避妊手術を行っていなかったためにどんどん繁殖してしまい、最大で80匹ほどまで猫が増えてしまった時期もあったそうです。また、お寺に猫が多くいることを聞きつけた人が、遠方から猫を捨てに来ることもあったのだとか。
その後は避妊手術を行い、里親募集などを通じて多くの飼い主さんを見つけることができたため、現在の数まで落ち着いたそうで、「猫寺」と呼ばれる影には大変な苦労があったんですね。
今ではお寺にキャットフードを送ってくれる人もいるほど、多くの猫好きな方や参拝客から見守られています。
そんな猫寺では、毎日7:00と15:00にご飯タイムとなっていますので、興味のある方はこの時間帯を狙っていくとご飯中のにゃんこを見られるかも知れませんよ。ちなみに猫を無理矢理だっこしたり、オヤツをあげたりするのは禁止されていますので注意してくださいね。
猫寺の写真エッセイが発売
さて、そんな猫寺から「ねこはなやまニャい」という写真エッセイが発売されました。
お寺が写真エッセイ!?と思われるかもしれませんが、そこには意外な理由がありました。
実はこの本の編集者の方の実家が曹洞宗のお寺で、そこには猫の写真が写っている御誕生寺のカレンダーが飾ってあったのだそうです。そしてカレンダーに書かれている住職のあたたかい言葉や猫の表情を見るうちに、「いつかこの寺の猫の本を作りたい」と思うようになったのがきっかけでした。
しかし、当初は本の企画が通らず諦めかけたこともあったのだとか。また、御誕生寺からも断られていたそうなのですが、編集者の方の実家が同じ宗派のお寺でずっと御誕生寺のカレンダーを使っていたことや、この本にかける思いなどを手紙に綴り福井まで足を運んだ結果、その熱意が伝わり、3年がかりでようやく出版されることになったのだそうです。
そんな編集者の方の熱い思いから生まれた本書は、御誕生寺の猫たちの写真に板橋興宗禅師のメッセージを添えた写真エッセイ集となっています。
猫たちの姿を捉えたのは、人気カメラマンのキッチンミノル(@kitchenminoru)さん。
境内で猫と活動をともにしていく中で猫の行動が読めるようになっていったというその写真には、お寺で暮らす猫たちの自然な表情や仕草が収められています。
猫とお寺の相性が良いためか、のんびりとした空気感が感じられて心地よい感じがしますね。
愛らしい猫たちに癒されながら禅師の言葉で明るく前向きな気持ちにさせてくれる、そして「悩まない」生き方の教えが詰まったこの写真エッセイ。心が疲れた時や、ほっと落ち着きたい時、手に取ってみてはいかがででしょうか。