命を救われた犬猫たちの写真コンテスト、環境大臣賞や大阪府知事賞などの受賞作品が発表
殺処分される寸前に救われた猫や犬を対象にした「命をつないだワンニャン写真・動画コンテスト2021」の選考結果が、主催者の公益財団法人どうぶつ基金より発表されました。
このコンテストは猫や犬を飼いたいと思った時にペットショップなどの業者から買うのではなく、保護された犬猫の里親になったり地域猫の世話をする選択肢があること、そしてその素晴らしさを知ってもらうことを目的に2010年から毎年開催。
応募した作品はすべて公式サイトに掲載されて一般ユーザーによる投票が行われるほか、著名デザイナーの森田恭通さん、噺家の桂文枝さん、写真家ユニットの八二一(はにはじめ)さんら審査員によって入賞者が選定されます。
12回目を迎えた今年は過去最高となる1,727点の応募が寄せられ、眺めていてほっこりした気分になるものから思わずクスッと笑ってしまうようなものまで、コロナ禍で社会を覆う閉塞感を吹き飛ばしてくれるような作品が集結。
その中から10万円相当の賞金賞品が贈られる「環境大臣賞」に選ばれたのは、猫がじゃんけんをしているかのような瞬間を捉えたこちらの作品です。
生粋の野良生まれという2頭の猫は、不妊手術の目印として耳がV字型にカットされた、いわゆる「さくらねこ」の兄弟。野良猫同士がじゃれ合っているのは珍しい光景ではありませんが、互いにじゃんけんをしているようなポーズを取るのはなかなかレアなシーン。
さくら耳になっているのは人間が関わっている証で、地域の人たちに見守られながら自由気ままに過ごしている様子が伝わってきます。
「大阪府知事賞」に選ばれたのは、頭を撫でられとても気持ちよさそうな表情をした猫の写真。
昨年、動物愛護団体から飼い主さんの家に迎え入れられたというこちらのニャンコは、朝・昼・晩と一日になんども「可愛いねぇ~」と言って頭を撫でられている幸せ者。飼い主さんにとっては「居てくれるだけでいい」と思えるほどの存在で、猫と暮らせる日常が本当に幸せでありがたく、これからも長く一緒に生きていきたいと感じているのだとか。
犬の上に犬が寝そべっている下記の写真は、どうぶつ基金の「理事長賞」を受賞。
ここはボランティアに保護されたお家がない犬たちの遊び場で、遊び疲れてしまったワンちゃんがお昼寝する様子を捉えた一枚。上に乗って丸くなっているワンコは、大きな黒犬の背中をベッドにして眠るのが日課になっていて、まるで親子のような仲睦まじい姿に見ていて癒やされます。
「審査員特別賞」に選ばれたのは水たまりを歩く2頭のワンコの写真。
水が鏡のように鮮やかな空を映し出した光景は、南米のボリビアにあるウユニ湖を彷彿させる絶景。撮影者の飼い主さんは過去にNPO法人から3頭の犬を家族として迎え入れており、写真に写っているのはそのうちの2頭。残る1頭は昨年末に虹の橋を渡ってしまったものの、この写真が撮れた日は「旅立ってしまった愛犬が白い雲となって現れてくれたのでは」と思わずにはいられないほどの光景だったと言います。
どうぶつ基金の公式HPでは、これらの受賞作品以外にも「いのちつないだニャンコ部門」 「いのちつないだワンコ部門」「さくらねこ部門」「動画部門」の各入選作品を公開中。
また、本コンテストは毎年秋頃に受賞・入選作品を一般公開する展示会の開催が恒例となっていましたが、今年は昨年に引き続き新型コロナウイルス感染症の影響により中止することが発表されています。
<参考>
・環境省とAmazonが提携!保護猫・保護犬の譲渡拡大を支援する「つなぐ絆、つなぐ命」プロジェクト
・本格スパイスカレーもあるニャ!猫雑貨店と保護猫カフェが合体した「ネコリパランド」大阪に誕生
・ねこの仕事は…癒やすこと!印刷工場で働く猫たちの写真集「私たち、癒し課に配属されました」
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