猫のタマタマ(にゃんたま)の写真家・芳澤ルミ子氏の新刊「ネコの裏側」
昨年、猫の写真業界に一石を投じた写真集といえば、猫のタマタマばかりを収録した「にゃんたま」。
全96ページにわたって延々と猫のタマタマを掲載するという異例の写真集で、出版業界はもとより多くの猫好きさんがその内容に衝撃を受け、大きな話題となった作品ですが、その著者でカメラマンの芳澤ルミ子さんが新たな猫マニア向け写真集を出版しました。
そのマニアックな作風から「猫フェチカメラマン」という新たなジャンルを開拓しつつある芳澤さんの新作とあって、タイトルからすでに妖しげな雰囲気が漂ってきます。
その内容は、むぎゅ~っとつぶれたお腹、しっとりピンクの肉球、たまに「にゃんたま」もチラリしたショットなど、知られざるネコの裏側をたっぷりと堪能できる、これまたマニアックな猫写真集となっています。
肉球のオンパレード
普段は見えないこんな姿の裏側も
撮影の舞台は、横浜桜木町の譲渡型猫カフェ「にゃんくる桜木町店」と、福島県郡山の保護猫カフェ「love.lab(ラブラブ)」の2店舗。
にゃんくる桜木町店はアクリル板キャットウォークが常設されている猫好きさんに人気のスポットで、ネコたちの表情と裏側に迫っているほか、love.labでの撮影時には、ニャンと特注の「裏側撮影装置」を設置して泊り込みでの撮影に挑んだというから驚きです。
また、今回の撮影時、芳澤さんは常に上を向きながら重いカメラを構えていたため、撮影後の数日間は首痛に苦しめられたのだそうですが、
「この模様の猫の肉球は何色なのか?」
「香箱座りの下はどうなっているのか?」
「ねこ鍋の中身は?」
「子猫の裏側は?」
「ものを食べているのを下から見ると???」
などなど、猫への飽くなき探究心が首の痛みをも忘れさせ、数々の「決定的裏側」を捉えることができたのだとか。
さらに、撮りためた写真の中から写真集に採用する作品をセレクトする際には、芳澤さんや編集スタッフから、
「たまらん……」
「これはヤバイ……」
「捕まるのでは……」
「うお~~……」
「ありゃりゃりゃりゃ……」
などの声が漏れ出て、普段の打合せとは違う異様な雰囲気が立ち込めていたのだとか。
マニアックな写真集の裏側には、マニアックな会議が繰り広げられていることが伺えますね。
本書の編集とデザインを手掛けているのは、ワル猫やドヤ猫などの写真作品で知られるソトネコ写真家の南幅俊輔(みなみはば しゅんすけ)氏。
普段は実力派カメラマンとして猫を撮影している南幅さんと、芳澤さんによる強力コラボが実現した本書。可愛い肉球に悶絶しまいそうな写真から、大迫力のナイスアングル、子猫のフレッシュな裏側など、めくるめく裏側の世界を堪能できる一冊となっています。
さて、今回も猫の写真集としては異色の内容となっている本作ですが、出版元の辰巳出版に本書の見どころについて伺ってみました。
Q:見どころについて
A:普段は目にすることのできないネコの裏側を、心ゆくまで堪能できます。
世の汚れを知らない純粋無垢な子猫の裏側……
強気な視線を投げかけて来るメスネコの裏側……
オヤツにつられてやってきたオスネコの「にゃんたま」……
裏側を晒されているとは知らないネコたちに背徳感を抱きながらご覧ください。
背徳感とは、本来あるべき人の道から外れてしまった後ろめたい感覚のこと・・。どうやらネコの裏側には禁断の世界が広がっているようです。
Q:裏側の魅力について
A:「裏側」の魅力の一つは、「決して触れることができない」ことにもあります。
「裏側」と私たちの間には、両者を隔てる透明ボードが存在します。
それがないと、裏側を見ることはできない。
けれど、それがゆえに、裏側には決して触れられない……。
そのジレンマに悶絶しながら本書をご覧いただくのも、また乙かなと思います。
どこかドM的な、振り切っている感じが伝わってくるわけですが・・しかし言っていることは分からないでもない、そう感じた方は相当な猫フェチであることでしょう。
年の瀬が迫ろうとしているこの時期、今年も何かやり残したことはないかな?と思っている猫フェチな方は、ネコの裏側をこっそり覗いてみてはいかがでしょうか。
参考:ニャンタマニア必見!猫のふぐり「にゃんたま」の写真集が発売
画像提供:TATSUMI PUBLISHING CO.,LTD.