体重なんと16キロ…!アメリカの太り過ぎな猫「キング」のダイエットチャレンジが話題に
アメリカ合衆国の南東部に位置するノースカロライナ州で現在、まるまる太った茶トラ猫が壮大なダイエットにチャレンジするとして注目を集めています。
「キング」という名前のこの猫は、体重がなんと35.4ポンド(約16kg)もある巨漢猫。抱きかかえている女性の体を覆い隠しそうなほど立派なお腹をしています。
一体どのような生活をしたらここまで太ってしまうのか?不思議に思うかもしれませんが、実はこの猫ちゃん、以前一緒に暮らしていた高齢の飼い主さんが認知症を患っており、ご飯をあげたことを忘れて餌を与え続けてしまったことから、どんどん体重が増えてこのような体型になってしまったと考えられるのだとか。
その後、飼い主さんが亡くなると、同州のデイビッドソン郡にある動物保護シェルターに引き取られることになりますが、体が大きすぎて適切な手入れをできないことから、2時間ほど離れたウェイク郡の動物虐待防止協会(SPCA)へお引越しすることに。
普通の猫であれば人間ひとりで難なく運ぶことができるところ、この猫の場合はスタッフが2人がかりでケージを運ばなければならないほどの重さで、到着した時の写真や動画がSNSで公開されると、さまざまなメディアで取り上げられて大きな話題となりました。
引越し先の保護施設(SPCA)では、インパクト抜群のボディから「バズーカ」と名付けられることになります。
一方その頃、飼い猫だったメインクーンを失って傷心していたのが、ロビン・アンダーソンさんという女性。Facebookでメインクーンのレスキューコミュニティを眺めていたところ、偶然にもシェルターから移動中の太った茶トラ猫の写真が目に飛び込んできました。
5年前ほどに糖尿病を患ったロビンさんは、苦労しながらも127ポンド(約57キロ)の減量を成し遂げた自らの経験から「この猫の力になれるのではないか」と思い立ち、里親募集の開始が行われる前にSPCAを訪問。すぐさま引き取ることを申し出たのだとか。
2人は初対面にもかかわらず施設の職員が驚くほど意気投合し、今年の1月中旬には養子縁組を締結。
新たに「キング」と命名された茶トラ猫は、帰宅後の部屋で直ぐにゆったりとくつろぐ様子を見せるなど新居も気に入ったようで、飼い主さんがキングのために開設したFacebookアカウントには、幸せそうな日々の暮らしが公開されています。
現在は獣医さんから処方された食事を与え、できる限り家の周りを移動して運動させようと日々奮闘中。引き取ってから1ヶ月ほど経過した2月中旬には約500gの減量が見られ、ロビンさんは「ダイエットに向けて最初のステップを踏み出せたことに大きな喜びを感じている」とのコメントを発表しています。
ちなみに16kgの猫というと、どれくらいの大きさなのか。
品種差や個体差はありますが、一般的な成猫の体重はおよそ3~5kgで、約3匹分の重さに相当。大型な猫種として知られるメインクーンでも、オス猫の標準体重は3.5~6.5Kgほどと言われていますので、いかに体重が大きいかが分かります。
とは言え、世界にはもっと重い猫がいて、ギネス世界記録では1986年、当時オーストラリアに住んでいた「ヒミー」というトラ猫が21.3 kgという体重で世界記録に認定。長い期間にわたって記録を保持していたというから驚きです。
しかし、そのギネス記録も現在では、ペットの大きさを測る要素として「重さ」を用いることは認めておらず、「高さ」と「長さ」で判定するようにルールを改定。一部の飼い主さんが猫の体重を競いたくなるような環境は変わりつつあります。
※歴代で最も長い飼い猫は、2013年に死去したメインクーンの「ステューイー」くんで123cm、存命中の最も長い飼い猫は「バリベル」くんで120 cm。
今回紹介したキングくんはまだ5歳。
マラソンに参加するなど走るのが大好きな飼い主さんのロビンさんは、近々、キングくんにハーネスをつけて一緒に外を散歩できないかと考えているのだとか。
いずれはダイエットで健康な体を取り戻して一緒に走る姿を見てみたいものですね。
<参考>
・ギネス記録まであと1cm!巨大猫のメインクーンがデカすぎる
・同じ家に暮らす2匹の猫ちゃんが個別にギネス世界記録に認定
©Trials & Tribulations of “King” Augustus, the Cat/SPCA of Wake County