新潟の動物愛護センターが猫にマイクロチップを装着
新潟県は2016年4月から、動物愛護センターで保護して譲渡する猫の身体に、マイクロチップを埋め込む取り組みをはじめます。
新潟県では2008年頃から猫の譲渡を増やす取り組みに力を入れていて、2014年度の猫の譲渡数は883匹と過去最高を記録しています。
その一方で、殺処分されている猫の数は未だ毎年2,000匹を超え、収容した猫の約7割以上が処分されているという現状があります。
では、どのような経緯で猫が動物愛護センターに収容されているのか見てみましょう。
(以下、新潟県の動物愛護センターが公開している2014年時点のデータを元にした考察です)
実に半数以上、数にして1,729匹が迷子猫(グラフの水色の部分)であることが分かります。
迷子猫の中には当然、捨て猫も含まれていると推測されますが、本来飼い主のいるはずの猫が収容されて殺処分されているというのは、なんとも悲しいことですね。
ちなみに猫が飼い主の元に戻された数はたったの5匹。収容された猫のわずか0.3%に過ぎません。つまり、猫が動物愛護センターに収容されてしまうと、99.7%の確率で飼い主の元には戻らないという計算になります。
なかなか絶望的な数値ですね。
これを回避するために飼い主側でできることとしては、やはり完全室内飼いが強く推奨されることは言うまでもありません。
その他にも猫の首輪に迷子札を着けたり、身体にマイクロチップを装着することで、飼い主の元に戻ってくる確率は上げることができます。
冒頭でご紹介した動物愛護センターによるマイクロチップの埋め込みも、譲渡した猫が再び迷子になったり捨てられた場合に里親を特定できるようにすることで、結果として猫の殺処分数を減少させることを目的としています。
今月の17日に新潟県が公表した2016年度の一般会計当初予算案によると、犬や猫のミルクボランティアやマイクロチップ導入推進として120万円が計されていますが、その他にも野良猫の去勢手術や避妊手術を行う民間団体などに対し、補助金を交付する事業も始める予定だそうです。
このような自治体による殺処分を減らすための取り組みは歓迎したいですし、他の自治体にも波及していくことが望ましいですが、飼い主が飼育を放棄せず猫が迷子にならないようにする努力をしていかないと、施設に収容される猫の数を減らすことは困難でしょう。
猫を飼育することには「法的責任」が伴うことを認識し、適切な飼育を行っていく義務があることを改めて意識していきたいですね。