山中温泉のアートな旅館・鶴仙庵に巨大な猫のオブジェ「橋猫」が誕生
石川県の山中温泉にある宿泊施設「鶴仙庵(かくせんあん)」の中庭に11月13日、猫をモチーフにした大型のアートオブジェ「橋猫」が公開されました。
山中温泉は、平安時代に開湯された1300年の歴史を持つ温泉地。
文字通り山に囲まれた温泉地で、石川県南部を流れる大聖寺川(だいしょうじがわ)の中流にある渓谷・鶴仙渓(かくせんけい)沿いには旅館が立ち並んでおり、そのうちのひとつが「鶴仙庵」。
温泉宿・鶴仙庵
「鶴仙庵」は全部屋から渓谷を眺められる宿泊施設で、館内にはオブジェやアメリカンPOPアート、インドネシアアート、現代アート作家の作品など、オーナーこだわりのアートが至るところに展示されています。
そんな同館オーナーの「鶴仙庵を現代アートの温泉旅館にしたい」という想いが、巨大猫のアートオブジェ企画へと発展。現代アート作家の小林真理江さんの手によって制作されたのがこちらの「猫橋」という作品です。
色とりどりのモザイクと紅紫色のボディが美しい作品ですが、実はこのオブジェ、山中温泉を彩る渓谷・鶴仙渓に架かっている「あやとり橋」をモチーフにして作られています。
あやとりをイメージした構造
渓谷の両岸を両手に見立て、橋が紐遊びの「あやとり」をしているように見えるユニークなデザインの「あやとり橋」ですが、この橋をモチーフにした胴体をもつ巨大猫が、温泉旅館の庭に迷い込むという発想のもとに作られたのが「橋猫」というオブジェ。
猫の胴体には、あやとり橋のトラス構造(三角形に組んだ構造)も再現されていて、その合間にはステンドグラスがあしらわれており、太陽の光を浴びて全身をキラキラと光り輝かせるその姿は、背景に舞う温泉の湯けむりも相まって、神々しさを感じさせるような雰囲気を醸し出しています。
また、作品全体を眺めると猫の足の長さが目を引きますが、これは巨大猫がダイダラボッチのように、夜中に渓谷を跨いでいるイメージから来ているのだとか。
このオブジェを見た後に鶴仙渓を散策しながら、「橋猫」が渓谷を跨いでいる様子を想像してみるのも楽しそうですね。
見た感じ150〜160cmほどありそうな大きなオブジェですが、東京から作品を搬送して鶴仙庵の中庭にクレーンで下ろし、基礎工事をなどの工程を経て11月初旬に設置が完了、本日正式に公開される運びとなったようです。
鶴仙庵のオーナーさんによると、このオブジェは宿泊客を楽しませるだけでなく、山中温泉の人気観光スポットとして育てていきたいと意気込んでいるそうですので、山中温泉や鶴仙渓を訪れる猫好きさんにとっては、ぜひ訪れてみたいスポットですね。