山月記には猫も登場する…!?名作文学と現代イラストが融合した「乙女の本棚」シリーズ最新作が登場
昭和初期に活躍した早世の小説家、中島敦の短編小説「山月記(さんげつき)」を現代のイラストレーターが表現した書籍が2020年4月17日に刊行されました。
本書は、文豪の名作文学と現代の美麗なイラストを融合させた、絵本感覚で楽しめるコラボレーション作品「乙女の本棚」シリーズの最新作。
太宰治 + 今井キラ「女生徒」
萩原朔太郎 + しきみ「猫町」
太宰治 + 紗久楽さわ「葉桜と魔笛」
梶井基次郎 + げみ「檸檬」
江戸川乱歩 + しきみ「押絵と旅する男」
夢野久作 + ホノジロトヲジ「瓶詰地獄」
芥川龍之介 + げみ「蜜柑」
夏目漱石 + しきみ「夢十夜」
泉鏡花 + ホノジロトヲジ「外科室」
小川未明 + げみ「月夜とめがね」
坂口安吾 + 夜汽車「夜長姫と耳男」
坂口安吾 + しきみ「桜の森の満開の下」
夢野久作 + ホノジロトヲジ「死後の恋」
新美南吉 + ねこ助「赤とんぼ」
シリーズ第15弾となる「山月記」は、喘息のため1942年(昭和17年)に33歳という若さで病没した中島敦の代表作。
詩人になれなかった男が発狂して虎となり、偶然再会した友人に自身の詩を託すというストーリーで、虎になってしまった友人に「その声は、我が友、李徴子ではないか?」と尋ねるシーンはあまりにも有名。
高校の教科書などにも多く掲載されている名作短編小説として知られています。
参考:李陵・山月記 (新潮文庫)
そんな文豪の名作に独自の感性でイラストを添えたのは、愛猫家のイラストレーター「ねこ助」。
書籍の装画、ゲーム、CDジャケットなどで美麗な人や獣を描き、本シリーズでも過去に児童文学作家・新美南吉による童話「赤とんぼ」のイラストを手掛けている同氏。本書には主人公・李徴(りちょう)の少年時代の可愛らしい容姿や、恐ろしくもどこか幻想的な人食い虎など、新たに描き下ろしたイラストの数々が収録されています。
中でも注目なのは、ところどころに描かれている猫たち。
おどろおどろしい虎とは対象的に、主人公のまわりで自由気ままにくつろぐ姿は、まるで李徴の苦しみに寄り添っているかのよう。
鮮やかなイラストはすべてオールカラーで描かれており、原作の世界をより豪華に楽しめるほか、小説としても画集としても楽しめる一冊となっています。
参考:イラストレーターねこ助さんの初画集「Soirée ねこ助作品集 ソワレ」
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