ネコの体は何故こんなにも柔らかいのか?液状化する猫をタイプ別に分類した写真集『ねこは液体』
ネコは体がとても柔らかい動物。
鎖骨が退化して小さいので、狭い隙間でも簡単に通り抜けることができるほか、関節や筋肉、靭帯が柔らかいため、ひねったり曲げたりするときの可動域も広く、変幻自在に体の形を変えて容器にすっぽり納まる姿から「猫は液体なのでは…?」という疑惑が21世紀初頭から囁かれています。
猫の液体化を世界規模の話題にしたのが、フランスの研究者マーク・アントワーヌ・ファルダン(Marc Antoine Fardin)氏。
同氏はフランス国立科学研究センター(CNRS)やパリ・ディドロ大学ジャック・モノー研究所に所属する物理学者で、物質の変形や動きをテーマに研究。流動学の分野で実際に研究されている問題点を解明するために「猫が液体である」説を取り上げて、2014年7月に「猫の流動学について(On the Rheology of Cats)」という論文を発表。
残念ながらノーベル賞の受賞には至らなかったものの、そのパロディー版とも言える「イグノーベル賞」で物理学賞を受賞。猫が液体のように柔らかいことを世界中に広く知らしめました。
そんな液体のような猫の姿ばかりを集めたのが、12月6日(水)に刊行される『ねこは液体』という写真集。
猫の液体化の多様性に迫ることを目的とした書籍で、全国にいる愛猫家の協力のもと、液体化した猫たちの決定的瞬間を捉えた写真を取りまとめ、さらにその形状や特徴をカテゴライズ。
あんもにゃいと(円形および半球体対応渦巻形状)や、にゃぷんたぷん(表面張力による横溢形状)、ぐにゃんぐにゃん(半液体化による流動形状)、シュレーディンガーの箱を満たすねこ(六面体容器における液化形状)など、タイプ別に分類した猫の写真が80ページにわたって収録されています。
著者は、液体猫の調査を目的に愛猫家が結集して発足した「ねこは液体 調査委員会」。
猫の可愛らしさを検証するため日々、世界中から資料を収集しているという有志チームで、本書はその調査報告を兼ねた写真集となっています。
<参考>
・なぜ猫は潜ってしまうのか…?穴に出入りする猫たちの決定的瞬間を捉えた写真集「あなねこ」
・チラ見している猫は好きですか…?隠れきれていない姿が愛おしすぎる写真集「ねこチラ」
・眠る猫を眺めるのは至福の時…1万枚の中から厳選したネコの寝姿を収録した写真集「寝こ」
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