犬猫の健康寿命を伸ばせるか?鳥取大学とノルデステ社が抗老化成分「NMN」の共同研究を開始

ヘルスケア・ビューティーケア事業を手掛けるノルデステ社と鳥取大学農学部附属動物医療センターが12月5日、抗老化成分として注目されている「NMN」の犬猫に対する効果検証を共同で開始すると発表しました。

ノルデステ社と鳥取大学の共同研究ロゴ

ノルデステ社によると、コロナ禍でペットとのコミュニケーションが以前にも増して濃密になる中、ペットが長生きするためのケアを積極的に行う飼い主の意識も高まっていると指摘。

また、昨年の犬猫の平均寿命は犬が14.65歳、猫が15.66歳で、この10年間で犬は0.78歳、猫は1.3歳も寿命が延びている一方、飼い主さんがペットに全うして欲しいと願う平均寿命は、2015年の調査でも犬オーナーは16.1歳、猫オーナーは17.7歳と実際の平均寿命より2歳ほど長生きを望んでいるほか、ペットの健康寿命を延ばしたいと回答したオーナーは約8割にのぼっていると言います。

※一般社団法人ペットフード協会調べ(令和3年度 全国犬・猫飼育実態調査)、ペット長寿国プロジェクト調べ(平成27年度 ペットの高齢化とケアに関する調査)

年老いた飼い猫のイメージ写真
猫も高齢化の時代ニャ

こうした飼い主さんの声に応えるためにこのたび開始されたのが、NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)の抗老化作用を犬猫向けに検証する研究。

NMNはもともとヒトや生物の体内で自然に作られている成分で、マウスに投与した実験では加齢に伴う糖尿病や認知機能の低下を改善する効果が報告されていることから、ヒトの老化を遅らせて健康寿命を延ばす可能性のある物質として世界中の研究者たちから注目されています。

今回の共同研究内容は、ノルデステ社が医療機関や研究機関などで採用されているNMN研究用試薬「N-Pro Med」(エヌプロ メッド)を原材料として提供し、鳥取大学農学部附属動物医療センターが中高齢の犬猫に対してNMNを2ヶ月間投与するというもの。

同センターは、高度な獣医療を提供し、難病の診断・治療法の開発を発展させることを目的とした診療施設で、獣医系大学附属の動物病院として教育・研究を行うだけでなく、開業獣医師からの依頼を受けて診療を行う「動物の大学病院」としての役割を担っており、そうした臨床現場で日々動物の治療にあたっている大崎智弘准教授が研究責任者に着任。

鳥取大学農学部共同獣医学科 獣医外科研究室 准教授 大崎智弘氏
大崎智弘 准教授(Tomohiro Osaki Ph.D.)

本研究では、投与前後に採血を実施して血液検査や各種ホルモン検査を行うほか、動物の状態の変化に関するアンケート調査も行い、得られた研究データを解析してNMNの犬猫への抗老化効果を評価するとしています。

<参考>
ペットの尿から簡単にがん検査ができる時代に?国内の研究機関が線虫を使ったイヌネコの研究成果を発表
ネコの寿命を伸ばす治療法を開発!その道のりを研究者がつづった書籍「猫が30歳まで生きる日」
猫のジャンプ回数が病気の早期発見に繋がる可能性も…!国内企業の研究結果が米科学雑誌に掲載

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