猫を自転車に乗せたまま国境をこえてゆく!バックパッカーの世界一周旅行記「ナラの世界へ」

ひとりのマッチョな青年が、子猫と一緒に自転車で世界を旅する様子をつづった書籍『Nala’s World』の日本語版が5月8日(土)に刊行されます。

書籍「ナラの世界へ 子猫とふたり旅 自転車で世界一周」(原題 Nala's World)の表紙イメージ
邦題「ナラの世界へ」

本書は山中に捨てられていた子猫と、自分探しをしている青年の世界一周旅行記で、欧州を中心に16カ国で発売されている旅行ノンフィクション。

著者で主人公のディーン・ニコルソン(Dean Nicholson)は、イギリス北部スコットランドの海岸部にある街・ダンバーで暮らす、アウトドア好き&社交的な性格の持ち主。

お酒とパーティに明け暮れる田舎暮らしに飽きてしまったディーンは、変化のない日常から逃れるために悪友と2人で世界一周をめぐる旅に自転車で出発したものの、悪友は早々に離脱してしまいます。

書籍「ナラの世界へ 子猫とふたり旅 自転車で世界一周」の冒頭部分
2018年9月に旅をスタート

その後、ボスニアの山岳地帯の坂道をひとりで走っている時に、なにかの音が聞こえたような気がして自転車を止め振り返ると、人影のない山中で必死に自転車へ追いつこうとする子猫を発見。

猫を飼ったことはなかったけれど動物好きだったディーンは、痩せこけた姿をみてパスタソースを舐めさせ、旅に連れていくことを決意。子猫に「ナラ」と名付けてペット用のパスポートを整え、予防注射も受けさせて一緒に国境を越えていきます。

人懐っこくて好奇心いっぱいのナラは、自転車の前かごから身を乗り出して風を感じ、風景を楽しみ、ディーンと一緒に旅を楽しむアウトドア派。その様子をドローンやウェアラブルカメラで撮影してSNSで投稿し始めると、好奇心や冒険心にあふれる旅に共感するユーザーが続出し、世界中で拡散されるようになりディーンとナラは一躍有名に。

東欧からギリシャ、エーゲ海、トルコへと続く長旅の道中ではさまざまなトラブルや不測の事態に見舞われますが、2人の旅を応援しようとある者は滞在先を訪れたり、宿泊する部屋を提供したり、金銭面でのサポートを申し出たりと、見守る輪が世界中に広がっていき、ディーンとナラは多くの人に支えられながら数々の困難を乗り越えていきます。

書籍「ナラの世界へ 子猫とふたり旅 自転車で世界一周」の目次
全3章で構成

その一方で、ディーンは旅の途中で出会う捨て犬などの保護にも奔走。動物保護団体への協力を呼びかけるなど、身近に起こる大小さまざまな問題と真剣に向き合い、自分に何ができるのかを考えて行動する様子を記録。時には環境問題や難民問題を目の当たりし、現代の人間社会が抱える問題について問いかける一面も。

やがて、ふたりの旅はコロナ禍に突入し、ロックダウンに阻まれて現在は旅を中断。しかし、SNSに投稿されるナラとディーンの様子に共感するファンが今でも増え続けており、You Tubeのチャンネル登録者は18万人、インスタグラムのフォロワーは95万人を超えるほどまでに拡大。

本書はそんなディーンとナラが運命的な出会いをし、苦楽をともにしながら人々との交流を楽しみ、ときに動物の置かれている過酷な環境やさまざまな社会問題に心を痛めながら、コロナ禍で中断を余儀なくされるまでの過程をつづった旅行記で、蔦屋幕張ではパネル展が行われているほか、5月8日からは紀伊國屋書店新宿とジュンク堂池袋書店でも開催が予定されています。

書名:ナラの世界へ 子猫とふたり旅 自転車で世界一周
著者:ディーン・ニコルソン
翻訳:山名 弓子
出版:K&Bパブリッシャーズ
発売:2021年5月8日

<参考>
ボブという名の猫、シリーズ最新刊「ボブが遺してくれたギフト」が登場!ホームレスの支援企画もあるニャ
世界ネコ歩きにも登場!アイルランドで最も有名な猫の自伝「羊飼い猫の日記」日本語版が刊行
ゴーグル姿が超かっこいい!カナダで暮らす猫の「ゲイリー」くんはスキーも楽しむアウトドア派

(C) K&B Publishers inc.

最近の投稿