歌舞伎町の駐車場で出会った猫がオジサンの人生を救う!コロナ禍で人生のどん底に陥った店主の感動フォトエッセイが登場

世界中で新型コロナウイルスの感染拡大が猛威を振るった2020年初頭。日本では緊急事態宣言が発動され、営業時間の短縮や酒類提供の制限などにより、飲食業界が大きな打撃を受けました。

新型コロナウイルスの感染拡大イメージ写真
マスク姿がお馴染みの光景に

国内最大の歓楽街として知られる新宿・歌舞伎町で飲食店を営む「たにゃパパ」さんもその一人。売上の減少によりお店の経営が立ち行かなくなり、死すら考えたという人生のどん底に落ちながらも、一匹の野良猫と出会うことで大きく人生が変わったと言います。

そんな歌舞伎町で生きる1匹の野良猫とおじさんの感動ストーリーをつづったのが、今月刊行された『歌舞伎町の野良猫「たにゃ」と僕』というフォトエッセイ。

歌舞伎町に生きる野良猫とおじさんの泣けるフォトエッセイ『歌舞伎町の野良猫「たにゃ」と僕』
表紙イメージ

著者のたにゃパパさんは当時、コロナ禍で経営難に陥ったお店の金策に奔走していて、先が見通せない不安に押しつぶされそうになりながら過ごす毎日。

信じていた人からの裏切りがあったり、人生ではじめて土下座を経験するなど、精神的に疲れ果てていました。

ある日、「もう死んでしまおうかな…」と思いながら、いつものように歌舞伎町の一角にある駐車場まで歩いて行くと、そこで薄汚れた一匹の白い猫と出会います。

歌舞伎町の駐車場にいた野良猫 by 書籍「歌舞伎町の野良猫「たにゃ」と僕」
ボロボロだった猫ちゃん

ひとりぼっちでボロボロになりながらも、懸命に泥水をすすって生きる白猫。たにゃパパさんはその光景に自分の姿が重なり、放っておけない気持ちになってしまったことから、猫のご飯を買いに走ることに。

一方、猫缶に慣れていないのか食べづらそうにしている猫。それでも夢中でむさぼる姿を見て、「お前だって楽しくないだろう。昨日も、今日も、明日もつまらないのに、でも食べるんだな…。」「しかし、生きるってそういうことなのかもしれない。」と感じたと言います。

歌舞伎町の駐車場で仲良くなった野良猫の物語 by 書籍「歌舞伎町の野良猫「たにゃ」と僕」
生きる元気をくれた「たにゃ」

去り際に「明日もここで会おうな」と語りかけ、この日から猫に会うことが自身の生きる理由になった、たにゃパパさん。猫には自分の名前から一部を取って「たにゃ」と名づけ可愛がると同時に、猫のことを考えている間は日々の辛さから逃れることができたため、つかの間の穏やかな時間を過ごせるようになります。

やがて1年が過ぎ、ふたりが会っていた駐車場が取り壊されてしまうという危機に直面。そこで、1匹と1人のおじさんに奇跡が起きる――といったストーリーが展開していきます。

家猫にするための捕獲作戦 by 書籍「歌舞伎町の野良猫「たにゃ」と僕」
家猫にするための捕獲作戦も

本書では、たにゃパパさんの優しい思いや切ない気持ち、強い思い、明日への希望につながる言葉などを、歌舞伎町で生きる野良猫・たにゃの写真とともに紹介。たにゃとの出会いから、付かず離れずの距離を保つ日々、そして保護へと思いを募らせていく過程など、たにゃパパさんの気持ちや感情が時系列を追いながら記されています。

外で暮らしている猫を保護し、家族として迎えるには、時間もお金も覚悟も必要なこと。それでも「たにゃ」と一緒に暮らしたいと思ったという著者のたにゃパパさん。

本書には「すべての猫にとって優しい世界になってほしい」との思いが込められていて、印税は猫の保護活動に活用される野良猫に優しい1冊となっています。

書名:歌舞伎町の野良猫「たにゃ」と僕
著者:たにゃパパ
頁数:96ページ
出版:扶桑社
発売:2023年8月2日

<参考>
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猫を飼う前に知っておきたい!マンガで分かる保護猫のトリセツ『ねこ活はじめました』

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