【新宿まで、おとなねこ一枚】葉っぱにスッと手を伸ばす一匹の猫を発見→まるで切符を買おうとしているみたいだと話題に
電車に乗る時はICカードなどによるチケットレス乗車が一般的ですが、一昔前には窓口で切符を購入するのが当たり前な時代もありました。
「◯◯(目的地)まで大人1枚」といった具合に、駅員さんに声をかけながら切符を買う行為は非効率である一方、懐かしさと温かみを感じられるレトロな風景でもあります。
そんな、昔ながらのスタイルで切符を購入しているような猫の姿を捉えた写真がInstagramで話題になっています。
写真に写っているのは、下から覗き込みながら左手を伸ばす一匹の猫。
手には大事そうに葉っぱが添えられていて、運賃をスッと差し出しているようなポーズに見えるほか、顔には「これでお願いします」と言わんばかりの表情を浮かべていて、まるで猫が切符を購入しようと駅の窓口から覗き込んでいるような光景です。
この写真が「葉っぱのお金で「新宿まで、おとなねこ一枚」」というコメント共にInstagramへ投稿されると、1,000件を超える”いいね”を獲得。
写真を見たユーザーからは「可愛い乗客さん」「葉っぱの切符みたい」「本当にしゃべりそう」など、切符を購入する猫に見立てた表現に共感するメッセージが寄せられています。
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街中で猫を見かけることはあっても、切符を買っているような猫と遭遇するのはなかなかのレアケース。一体どのようなシチュエーションで撮影された写真だったのでしょうか。
撮影者のkiyochanさんは、東京の街で暮らす猫を専門に撮影している写真家で、週に3〜4回ほど猫の撮影に出かけるのがライフスタイルの一環。
この写真を撮影した日も都内のある住宅地で猫を探し求めて歩いていると、扉の下から覗いている猫ちゃんの姿を発見。人間のことを警戒しているような雰囲気ではあったものの、落ちていた葉っぱで気を引くと手を伸ばしてきたそうで、切符を購入するように見える写真はその瞬間を捉えた1枚なのだとか。
この光景を見て「何か面白い絵になりそうだな」と感じたと言うkiyochanさん。「猫が切符を買う」というのは実際の行動とはかけ離れた表現ではありますが、一言コメントを添えるだけで違った世界が見えてくるのは、写真が持つ魅力の一つと言えるでしょう。
一方、葉っぱをもらった猫ちゃんはこの後、警戒心を解くことはなく、隙間越しに睨んだまま、こちら側に出てくることはなかったのだそう。
kiyochanさんが猫の写真を撮り始めたのは、たまたま出会った猫の写真をHPに掲載したところ、よい反響を得られたのがきっかけ。20年以上経った今ではすっかり猫を撮影することがライフワークになっていると言います。
猫を撮影するタイミングは「春夏秋は日の出の頃、冬は昼頃など外猫さんたちが行動する時間帯を考えて撮影に出ています。あとはひたすら歩くこと。年に3,000キロほど歩いています。」とのことで、簡単に外猫と会えるわけではない様子。
そして遭遇した場合は「外猫には絶対に食べ物をあげないこと。食べ物で気を引いてもいい絵にはなりませんし、地域住民の迷惑にもなります。」と、自らにルールを課しながら撮影しているのだとか。
意外と大変そうな外猫の出会いと写真撮影。モチベーションはどんな所にあるのでしょうか。
被写体としての猫に感じる魅力について聞いてみたところ、「それぞれ性格が異なり、反応も個性的なので駆け引きが面白い。同じ猫さんでも日によって態度が違うなど、とにかく飽きないところです。」と、ネコ好きな思いが伝わってくるコメントを寄せれてくれました。
そんなkiyochanさん。自身のHP(cats-blog.net)にてストーリー形式で猫の写真を公開しているほか、Facebook(facebook.com/tokyocitycats)では高画質な一枚物の猫写真も公開中。
全国各地で開催されている猫の合同写真展「ねこ休み展」にはほぼ毎回出展されており、間近で作品を観賞することができます。
取材協力:kiyochan(@kiyochan_cats)さん
<参考>
・お婆ちゃんと猫が海岸線を仲良くお散歩♪ リードがなくても信頼関係で繋がっていそうな後ろ姿にほっこり癒やされる
・カニに驚いた猫のリアクションが面白い!ある理由で猫に近づいたカニと、何かに集中しすぎた猫による偶然の出会いだった