砂漠の天使は可愛いだけじゃニャい!那須どうぶつ王国がミュージックビデオ「スナネコのうた」を公開
栃木県那須町にあるテーマパーク型の動物園「那須どうぶつ王国」から、人気のネコ科動物「スナネコ」のミュージックビデオが公開されました。
スナネコ(英名:Sand cat/学名:Felis margarita)は、アフリカ北部・西アジア・中央アジアなどに分布しているネコ科動物で、体長は胸からお尻までの長さが39cm〜57cm、体重は2~3kgほどしかなく、野生のネコとしては世界最小級(一般的なイエネコは約46cm、体重約3.6〜4.5kg)。
横広がりの顔にキュッと寄った目鼻や、大きな三角形の耳を持つ愛くるしい容姿から「砂漠の天使」とも呼ばれており、那須どうぶつ王国にある「保全の森」エリアでは、今年の2月に生まれた3頭の子ども(ショジャー♂、ナジュム♀、アルド♂)が母親のジャミールと共に過ごしています。
そんな同園では昨年、世界最古のネコと呼ばれているマヌルネコのミュージックビデオ「マヌルネコのうた」を公開し、約400万再生されるなど大きな注目を集めましたが、今回新たにスナネコのミュージックビデオを公開。
制作は前回に引き続きクリエイティブ・ディレクターの富永省吾氏が手掛けており、中東のエキゾチック感あふれる映像と楽曲をバックに、スナネコ固有の特徴が歌詞で表現されています。
一体なぜこのような動画が作られたのか。
スナネコはワシントン条約の附属書Ⅱに記載されている、将来絶滅の危険性が高い野生希少動物のひとつ。その小さな体に、砂漠の過酷な環境を生き抜くための身体機能や、適応能力が備わっていることはあまり知られていません。
足裏には灼熱の砂から守るため肉球を覆うようにびっしり毛が生えていて、寒暖差が大きい時期(夏は45度/冬はマイナス25度)には自分で掘った巣穴にこもってやり過ごすことができるほか、大きな耳はアンテナのように音を集めて増幅させることにより500m以上離れた場所にいる敵や獲物の存在をキャッチ。
鋭い牙や爪を使ってネズミやヘビ、サソリ、クモなどを好んで食べ、それらの獲物から得られる水分だけで飲み水が無くても生きていくことができます。
今回公開されたミュージックビデオには、そんな野性味あふれるスナネコの現状を知ってもらうことで、可愛らしい容姿だけではなく、過酷な砂漠で生き抜く野生の姿にも思いを馳せてほしい。そして、全ての野生動物との関わりについて、関心を持ってほしいとの思いが込められているのだとか。
一方でスナネコは気性が荒く、獰猛で、ペットとしては不向きな動物。動画の公開に合わせて同園からは「可愛らしい姿を見て飼いたいと思う人が増えると、乱獲や違法取引に繋がります。眺めて愛でましょう」とのメッセージが寄せられています。
<参考>
・もふもふのネコ科動物がミュージックビデオに!那須どうぶつ王国が「マヌルネコのうた」を公開
・昨年ブレイクした砂漠の天使「スナネコ」待望の写真集が発売!成長記録や飼育の裏話も収録
・スナネコをお家で見たくない?赤ちゃんから子猫になるまでの成長記録映像がDVDで発売決定
(C) Nasu Animal Kingdom