猫にまみれて暮らした昭和の文豪、大佛次郎の記念館で「ねこクイズ」のイベントが開催中

猫を愛した作家・大佛次郎(おさらぎ じろう)の記念館で、夏休みお楽しみキャンペーンの一環として「ねこクイズ」のイベントが開催されています。

大佛次郎記念館で開催中の「ねこクイズ」イラスト
子供から大人まで楽しめるニャ

明治30年に誕生した大佛次郎は、『鞍馬天狗』シリーズや『赤穂浪士』『パリ燃ゆ』『天皇の世紀』などの作品を残した国民的作家であると同時に、「猫は一生の伴侶」と語っていたほどの愛猫家。家の中では常に10匹以上の猫を飼っていたり、生涯で暮らした猫の数が500匹を超えるなど、猫にまつわるさまざまなエピソードも残されています。

生前は作家として猫に関する読み物を数多く残しただけでなく、猫の置き物や玩具なども収集。横浜市中区の観光名所・港の見える丘公園にある大佛次郎記念館には、大佛次郎が所蔵していたオブジェや絵画など猫にまつわる品々が数多く展示されています。

大佛次郎記念館 外観イメージ
大佛次郎記念館 外観イメージ
大佛次郎記念館 内観イメージ
大佛次郎記念館 内観イメージ

現在は大のネコ好きだった大佛次郎にちなんで、子どもたちを主な対象とした「ねこクイズ」を参加費無料で開催中。

クイズは配布されるリーフレットの表と裏に2種類あり、ひとつは「ねこのなるほどウソ・ほんと」。

子供だけでなく大人も思わずうなってしまうような猫の知識や、大佛次郎記念館の猫にまつわるクイズで、地図を頼りに館内をめぐってヒントや答えを探しながら楽しめるイベントとなっています。

大佛次郎記念館で開催されている「ねこのなるほどウソ・ほんと」のリーフレットイメージ
「ねこのなるほどウソ・ほんと」

もう一つは「ねこのおもちゃ絵(浮世絵)クイズ」。

大佛次郎の猫コレクションには多くの浮世絵が含まれていますが、これらは画家の木村荘八(きむらしょうはち/1893-1958)の形見として大佛次郎に贈られたもので、例えば下記の絵もその中の1枚。

大佛次郎記念館で開催されている「ねこのおもちゃ絵(浮世絵)クイズ」に登場する猫のおもちゃ絵
「ねこのおもちゃ絵」

舞台は江戸時代の芝居小屋で演者も観客もすべて猫というユニークな絵ですが、こうした浮世絵は幕末から明治中期にかけて描かれたもので、日常生活に必要な知識を楽しみながら身につけられることから、おもちゃ絵と呼ばれていました。

本イベントではその中でも、人気が高かったと言われる猫のおもちゃ絵についてのクイズにチャレンジすることができます。

どちらのクイズも受付で正解を回答すると、大佛次郎記念館のオリジナルデザイン「ねこ缶バッチ」をプレゼントしてもらえます。

大佛次郎記念館で開催中の「ねこクイズ」に正解するともらえる「ねこ缶バッチ」実物イメージ
可愛い猫のイラスト入り♪

また、館内では「これぞ!大佛歌舞伎」をテーマにした展示も開催中。

大佛次郎は、戦後歌舞伎の華と言われた九代目市川海老蔵(十一代目市川團十郎)に多くの脚本を執筆し、作品の多くは海老蔵の当たり役となったほか、「若き日の信長」(1952)をはじめ、「江戸の夕映」(1953)、「たぬき」(1953)といった作品は、現代にも受け継がれて繰り返し上演されています。

同展ではそんな当時の舞台写真(モノクロ)や台本、創作ノート、原稿など舞台の制作過程がわかる資料を公開し、作者・役者双方にとって新たな挑戦であった「大佛歌舞伎」の世界に迫り、舞台にかける情熱を浮かび上がらせる展示内容となっています。

大佛次郎記念館で開催されている展示「これぞ!大佛歌舞伎」メインビジュアル
開催中のテーマ展示
<イベント概要>
名称:ねこクイズ
期間:2021年7月22日(木)~9月5日(日)
時間:10:00~17:30
休み:月曜 (祝日の場合は翌平日)
入場:大人 200円 (中学生以下無料)
会場:大佛次郎記念館
住所:神奈川県横浜市中区山手町113

<参考>
美女に甘える猫から化け猫まで!ねこの浮世絵を集めた「猫じゃ猫じゃ展」が広重美術館で開催中
池袋マルイ最後のイベントは、名画をオマージュした「猫の絵画展」スタンプラリーも開催中
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(C) Yokohama Arts Foundation.

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