猫の病死の原因1位「がん」にどう向き合う?特徴や早期発見、治療法などを解説した実用書が登場
猫の代表的な死因になっている「がん(悪性腫瘍)」について、その特徴や早期発見、治療法などを飼い主さん向けに解説した書籍が2021年10月22日に刊行されました。
がん(悪性腫瘍)は私たち人間だけでなく、実は猫にとっても身近で怖い病気。
SBIペット保険(旧 日本アニマル倶楽部)が2017年に発表した「犬・猫 死亡原因病気TOP10」によると、猫の死因で最も多いのは「がん」で全体の38%。その背景には、室内だけで飼う猫の増加によって、感染症や交通事故などで命を落とすケースが減り、平均寿命が伸びていることが挙げられます。
こうした高齢化は、飼い猫が家族の一員のように健康管理を受け、最期を迎える日まで大切にされながら過ごしていることの表れですが、一方で、がんにかかる猫が増えるというジレンマが生じており、猫を飼う人にとっては決して他人事ではありません。
では、もしも愛猫が「がん」になってしまったらどうすればよいのか。
飼い主さんは「愛猫を何とか救ってあげたい」「できるだけのことをしてあげたい」との思いから必死に情報を集めようとするものの、インターネット上で見られる動物のがんに関する情報の中には、犬には当てはまるけれど猫には当てはまらないものや、効果の確証がまだ得られていない治療法などが溢れかえり、何が正しくて何が間違っているのか非常に分かりづらくなっているのが実情。また、愛猫ががんになったことを知って精神的ショックを受けた状態では、普段どおり冷静に情報を取捨選択するのは難しいものです。
そのような場合でも「飼い主さんが正しい知識にアクセスできるように」との思いから制作されたのが本書。獣医臨床腫瘍学の第一人者・小林哲也氏(日本小動物がんセンター センター長)による全面監修のもと、猫のがんの特徴や予防と早期発見、検査、根治と緩和の治療法などについて、直感的に理解しやすいよう全ページフルカラーで多様なビジュアルを交えながら解説しています。
また、愛猫がんになってしまい、不安が押し寄せる飼い主さんの心に寄り添ったコンテンツも充実。
「高齢猫に積極的な治療は必要なのか」「セカンドオピニオンを受けたいけれどどうすればよいのか」など、かかりつけの獣医師には聞きづらい悩みや疑問などについて専門医による回答が紹介されているほか、闘病している愛猫との向き合い方など、飼い主さんの不安を和らげるアドバイスも掲載されています。
<主な内容>
1章:猫の「がん」を理解する
2章:「がん」の発見と診療の流れ
3章:猫がかかりやすい「がん」
4章:猫の「がん」治療を知る
5章:闘病の不安を和らげるために
折しも本書の発売日は、乳がんで苦しむ猫をゼロにすること目的に制定された「キャットリボンの日(10月22日)」。愛猫が癌になった人だけでなく、早期発見やいざ病気になったときに備えたい人まで幅広く活用できる一冊となっています。
<参考>
・10/22はキャットリボンの日!愛猫の乳がんチェック方法も学べる啓発イベントが開催
・猫がマスクを誤食する事例も多発!猫が食べてはいけないものを写真付きで解説した図鑑が登場
・ネコの寿命を伸ばす治療法を開発!その道のりを研究者がつづった書籍「猫が30歳まで生きる日」
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