猫がマスクを誤食する事例も多発!猫が食べてはいけないものを写真付きで解説した図鑑が登場
猫は好奇心旺盛で飼い主さんが思いもよらないモノを食べてしまうことがある動物。
アニコム損保が2019年に発表した「家庭どうぶつ白書」によると、猫の手術理由および入院理由ランキングで、いずれも2位に挙げられているのが「消化内異物/誤飲」。
誤食・誤飲したものは時間の経過とともに自然と排泄されることもありますが、治療のために手術をすることも珍しくなく、麻酔をかけて内視鏡で摘出したり開腹手術が必要になったりすることもあるほか、誤食に気づかず発見が遅れると命の危険にさらされる可能性もあります。また、誤食したものの中には猫に中毒症状が現れる有害な成分を含む物もあり、それらは食品・植物・化学薬品・家庭用品など、私たちの暮らしの身近なところに潜んでいます。
そんな猫にとって誤食・中毒のリスクがある物を分かりやすく解説したのが、2021年3月12日に刊行された『猫が食べると危ない食品・植物・家の中の物図鑑』。
猫の誤食・中毒を予防する最も有効な方法は、「どんな物が、なぜ猫にとって危険となるのか?」を飼い主さんが正しく理解し、愛猫が勝手に食べてしまわないように遠ざけること。
しかし、近年は人々の暮らしの変化に合わせて、猫がうっかり口にしてしまう物も変わってきていると言います。
そのため本書では「今の日本の猫の暮らし」を踏まえた上で、誤食・中毒を起こしやすい「食品」「植物」「家の中」の物をピックアップ。
食べると腸閉塞や胃腸障害を起こしやすい家の中の物や、中毒を起こす食品・飲料・観葉植物・花・化学製品などについて、国内外の事故調査や研究報告を交えながら紹介すると同時に、事故の予防や対応まで解説されています。
猫に食べさせてはいけないもの中には「ラナンキュラス」「デルフィニウム」「ラークスパー」といった聞き慣れない植物も存在しますが、実物を具体的にイメージできないと危険な物として記憶には残りにくいもの。
本書では品目にすべて写真が付いているため、名前がよく分からない植物であっても見た目から判断することが可能。各品目には3段階の警戒レベルが設定してあるため、ひと目で危険度を把握しやすい構成になっています。
序章 猫の誤食と中毒
・猫の誤食・中毒の傾向を知ろう
・口にした?と思ったら、状況別の対応を
・誤食時のおもな診断と治療
1章 猫が食べると危ない食品
2章 猫が食べると危ない植物
3章 猫が食べると危ない家の中の物 〜誤食編
4章 猫が食べると危ない家の中の物 〜中毒編
<Column>
・人が食べるものを与えるなら気をつけたいこと 魚/肉・卵/乳製品/野菜・フルーツ
・猫に「安全な」植物ってあるの? ・家庭用殺虫・防虫剤の注意点 ・室内に潜む危険から猫を守ろう
最近は新型コロナウイルス感染症の流行により、マスクを家の中で外したり保管しておいたりするのが日常になりましたが、猫を飼っている家庭ではマスクの紐を食べてしまったり、丸ごと食べてしまい腸閉塞になるなど、マスクに関する誤食の報告が相次いでいると言います。
本書では「消毒液を付けた手を猫がなめるので心配」「殺菌効果のあるティーツリーは大丈夫?」など、飼い主さんの不安が高まっているコロナ禍ならではの中毒についてもカバーされています。
発行元の猫本専門出版社「ねこねっこ」によると、「猫には治せない病がある一方で、誤食・中毒は飼い主さんが防いであげることができる」と指摘。刊行に際して「この1冊で猫の命を事故から守る知識を得て、暮らしの安心・安全に役立て欲しい」とのコメントを発表しています。
また、2021年3月21日(日)には、東京・三軒茶屋にある猫本専門店キャッツミャウブックスで、本書の予約購入特典としてオンライントークイベントが開催予定。4月7日(水)には東京・神保町の書泉グランデにて、本書の監修者で猫専門の動物病院「東京猫医療センター」院長の服部幸獣医師によるトークイベントなども予定されています。
監修:服部 幸(東京猫医療センター院長)
構成:ねこねっこ
装画:霜田有沙
仕様:四六判/160ページ/フルカラー
価格:2,020円+税(税込2,222円)
<参考>
・ネコ科好きにはたまらニャい!色鮮やかな写真で楽しめる「世界で一番美しい野生ネコ図鑑」
・猫の行動学から正しい解決策を提示してくれる書籍「猫の困った行動 予防&解決ブック」
・Twitterで人気の獣医師が解説!猫の本音や不調のサインが分かる書籍「家ねこ大全 285」
画像提供:neco-necco