九州災害動物救援センターが6月開設、最大500匹受け入れへ
※本記事は執筆時点の情報です。現在は異なる場合がありますので詳しくはセンターのHPなど公式情報をご確認ください。
大規模災害時に飼い主と暮らせなくなったペットを都道府県の枠を超えて保護する、「九州災害時動物救援センター」の予定地が5月19日、報道陣に公開されました。
■予定地:大分県玖珠郡九重町湯坪
引用:asahi.com
九州災害時動物救援センターとは
東日本大震災では多くのペットが避難所での扱いに困ったり、飼い主が避難して自宅に取り残されたペットが放浪状態となったケースがありました。
そのため、九州および山口県において震災などの大規模災害が発生した際、怪我をしたり行き場がなくなったペットを一時的に保護・収容する施設「九州災害時動物救援センター」の建設計画が今年の3月に発表されました。
九州全県と山口県は、東日本大震災で動物救護のための支援や人員が不足したことを受け、同様の災害が発生した際に互いに円滑な支援が行える協定を2013年に締結しています。同センターの建設もそうした協力関係の一環と言えます。
同センターは獣医師らのボランティアや寄付金などで運営される予定で、九州電力の旧キャンプ場の一部(約3万平方メートル)を借り上げ、既存の管理棟などを改修して年内に約50匹収容の犬舎やドッグランなどを造り、最終的には犬と猫で合計500匹程度の収容を可能にする施設を目指しています。
また、平常時でも餌やケージ、ワクチンなどを備蓄しておき、ペットなどの預かりがない時期は、盲導犬や救助犬、麻薬犬などを預かり動物管理師の育成や研修などに充てるほか、引退した警察犬や盲導犬が老後を過ごす施設として活用することを想定しており、将来的にはアニマルセラピーの施設を造る構想もあるとしています。
熊本地震を受けて計画を前倒しに
この「九州災害時動物救援センター」は2017年の春に開設する予定で、災害時に県をまたいで広域的なペットの救護活動をする全国初の施設ということで注目を集めていました。
しかし、2016年4月に発生した熊本地震を受けて大幅に計画を前倒しすることになり、来月6月1日にオープンできるよう現在急ピッチで工事が進められています。
先日、5月19日には同センターの現地説明会が行われました。
引用:mainichi.jp
説明会によると、従来予定していたとおり九州電力の旧キャンプ場の既存施設を改修し、犬猫用の建物などを整備したうえで獣医師が常駐して診察に当たる方針で、当初は約50匹を受け入れ、最大500匹まで拡大していく計画だとしています。
犬猫の受け入れ期間については最長1年をめどに、3ヶ月ごとに飼い主と協議して決める方針です。また、預かり料は予防接種などを除き基本無料となる見込みです。
日本獣医師会の会長によると、熊本には現在援助が必要なペットが少なくとも300~400匹いるとされることから、被災者支援の一環として同センターの開設を急ぎたいとしています。