香川県の猫島「男木島」、猫が増えすぎて200匹を不妊手術
瀬戸内海に浮かぶ男木島(おぎじま)という島があります。
小説「バトル・ロワイヤル」に登場する沖木島のモデルとなったとも言われている島で、香川県に属し、南にある女木島(めぎじま)と合わせて雌雄島(しゆうじま)と呼ばれています。
島の人口は約180人ですが、それを上回る200匹以上もの猫が住んでおり、愛猫家からは「猫島」と呼ばれ近年では観光名所となっています。
男木島が猫島になった経緯
十数年前から島内では野良猫が徐々に増えていたそうなのですが、世間に知られるきっかけとなったのは2010年と2013年に開催された「瀬戸内国際芸術祭」でした。
男木島の伝統文化や美しい自然を世界に発信する目的で開催されたこの芸術祭には、14万人を超える人々が訪れたのですが、その人達によって「男木島には猫がいっぱいいる」という噂が口コミやインターネットで広まっていったのだそうです。
さらには同じく2013年に動物写真家の岩合光昭さんが撮影で訪れ、NHK・BSプレミアム「岩合光昭の世界ネコ歩き」で島や猫たちが放送されたことから、猫好きな人たちの間で一気に知れ渡ることとなりました。
猫による被害が拡大
そのような経緯から島には猫目当てで島を訪れる人が増え、2014年には人口の30倍近い5,000人を超える観光客が訪れるようになりました。
しかし、一部の観光客らが餌をやることで猫の繁殖がさらに進み、島内では庭や畑を荒らされたりふん尿による被害、漁網を破るといった被害などが続き、島民はもちろん観光客からも苦情が寄せられるようになりました。また、同時期にやせ細ったり病気になったりする猫も増えてきたそうです。
不妊手術で繁殖の防止
そこで島内のコミュニティが高松市にあるNPO法人「BONにゃん」に相談したところ、これ以上猫の数が増えてしまうのを防ぐため、島内にいる200匹を超える全ての猫に不妊手術を行うことになりました。
引用:http://mountainfescamp.blog.fc2.com/blog-entry-111.html
猫の不妊手術は公益財団法人「どうぶつ基金」が資金を援助し、6月から獣医や動物愛護団体が島を訪れて不妊手術を行うほか、ノミやダニの駆除、健康診断なども行う予定となっています。
香川県の現状
香川県における猫の引取・返還・譲渡・殺処分数によると、猫が自治体に収容される数に大きな変化は見られませんが、
香川県:猫の引取り数
猫の譲渡数には増加の兆しが見られます。
香川県:引き取られた猫の処置(譲渡/返還/殺処分件数)
今回のような不妊手術を行う取り組みは将来的な殺処分数の減少に繋がっていきますので、同じような問題を抱えている地域に波及していくことが期待されます。
今後も自治体、住民、支援団体による注目すべき取り組みがありましたらご紹介したいと思います。