宮沢和史が楽曲制作、沖縄の島猫映画「Nyaha!(ニャハ!)」

沖縄を舞台にした猫目線の映画「Nyaha!(ニャハ!)」の制作が今夏より開始されており、現在、一部制作費用の支援を求めてクラウドファンディングで資金を募っています。

猫が語る、猫目線で撮影する島猫映画『Nyaha!(ニャハ!)』

この作品は、美しい珊瑚礁の海に囲まれ、島猫たちの楽園と呼ばれている南の島「ニャハ島」を舞台にした物語(フィクション)で、島猫たちのゆったり、のんびりとした自由気ままな暮らしぶり、そして時に切ないその生きざまを、猫の視点で見つめ、猫自身が語る、ユニークなコンセプトの猫映画です。

作中に登場するのは沖縄をはじめ、南の島で暮らす実在の猫たちですが、彼らの居場所が特定されてその暮らしが日常でなくなってしまうことを避けるため、「ニャハ島」という架空の島が物語の舞台に設定されています。

映画を製作するきっかけとなったのは、4年前に発売された「島猫と歩く那覇スージぐゎー」という一冊の本。

沖縄・那覇の路地裏で暮らす、飼い主のいない島猫たちの姿をユニークな語り口で綴った本書は、写真展の開催やコミックエッセイ化されるなど大きな反響を呼びましたが、その続編として企画されたのが「Nyaha!(ニャハ!)」という映画です。

沖縄やその島々で暮らしている猫と聞くと、のんびりと心地よさそうに過ごしているイメージで捉えられがちですが、近年の著しい都市化によって島の原風景は静かに消えつつあり、それと連動するかのように人と町と猫との関係性もバランスが崩壊。

日常的な交通事故死や全国的に見ても高い殺処分数、山間部に捨てられた猫が希少生物減少の主因にされてしまうなど、沖縄の猫たちを取り巻く現実は決して明るいものではないと言います。


それでも、人に寄り添い、人を癒し、厳しい自然の中でたくましく生きている島猫たちに「なにか恩返しできるような作品をつくりたい」との想いから、より多くの人に伝わる手段として映画作品を制作するプロジェクトが始動。

沖縄の島猫映画『Nyaha!(ニャハ!)』に登場する子猫

主役は、書籍の著者で映画の脚本を担当している作家・仲村清司さんの飼い猫、「向田(むこうだ)さん」。元々は捨て猫だったという向田さん以外は、すべて飼い主のいない猫たちが撮影の対象となっています。

映画作りの資金はゼロからのスタートで、プロジェクトに賛同した沖縄在住の編集者やカメラマンらが、それぞれに出来ることを持ち寄って構想の策定に着手。取材やPR活動を続けるうちに徐々に賛同者が増え、企業からの機材貸与や物品提供などのサポートを受けながら今年の7月に撮影を開始。

現在も撮影を継続している最中です。

沖縄の島猫映画『Nyaha!(ニャハ!)』、海岸近くで気持ちよさそうに眠る猫

さらに元THE BOOMのボーカリストで、「島唄」の作詞作曲で知られる音楽プロデューサーの宮沢和史さんが映画の音楽監督を担当。「washima」(わしま=沖縄の方言で「わたしたちの島」)と、「ニャハ!のテーマ」という2曲をこの映画のために制作して提供しており、音楽業界からも注目が集まりそうです。

そんな同作ですが、より多くの人に観てもらうために作品の完成度を高めるべく、有志による活動だけでは賄えきれない映像編集やアフレコ 、レコーディングなどに必要な費用の支援を求めるべく、クラウドファンディングサイトのMakuake(マクアケ)にて現在資金を募集しています。

支援する金額に応じて、エンドロールに自分の名前や猫の写真・動画を表示したり、特製名刺の作成、限定DVDの贈呈、島猫の生写真、監督のアイディアノート、脚本家のサイン入りシナリオ本、映画に登場する島猫の命名権、映画への出演権など、さまざまなリターンが用意されています。

クラウドファンディングでは2018年1月30日まで支援を受け付けていますので、関心のある方はチェックしてみては。

また、YouTubeでは公式PVも公開中。宮沢和史さん作詞・作曲のオリジナルテーマ曲「washima」も聞くことができます。

本作のテーマは「生きとし生けるものは生まれてくる場所や境遇を選べない。だから共に生きる──。」

過去も未来もなく、今を全力で生きている猫たちの物語。どのような作品に仕上がるのか、今から公開が楽しみな映画ですね。

画像提供:シマネコキネマ

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