泌尿器系の病気を早期発見する猫トイレ「TOLETTA(トレッタ)」
猫が最もかかりやすい泌尿器系の病気を早期発見できる猫トイレ、「TOLETTA(トレッタ)」が2018年8月8日(世界ネコの日)に発売されます。
これはペット関連サービスを手がける株式会社ハチたまが現在開発を行っている製品で、猫の死因トップである慢性腎疾患・慢性腎不全の初期症状を自宅で簡単にモニタリングできる猫トイレです。
猫の腎臓は体内の老廃物や毒素を尿として排出して血液をキレイに保つ働きをしていますが、腎不全になるとこの働きが正常に機能せず、本来排出すべき老廃物などが体内に蓄積されてしまい、様々な病気の症状を引き起こし生命活動に支障をきたしてしまいます。
そして猫は5〜6歳で急性の腎不全になることが多く、そのうち5割〜7割は改善せずに慢性腎不全となって15歳ほどで亡くなってしまうと言われていますが、原因は不明で完治する方法が確立されておらず対処療法が中心。
そのため、早期に発見して治療を行い、症状の進行を遅らせて寿命を伸ばすことが一般的な対処方法になります。
今年の8月に発売予定の猫トイレ「TOLETTA(トレッタ)」は、この腎不全の初期症状である「多尿と体重減少」をモニタリングし、猫の健康情報をオンライン上で管理することができるスマート猫トイレです。
その仕組みは、TOLETTA(トレッタ)本体が自動的に猫を個別認識し、猫のオシッコやウンチの回数&量を毎日測定。そのデータは専用のアプリを通じてオンラインで瞬時に把握することができるほか、急な体重の増減や尿量の変化を読み取り、病気予防に役立てることができるというもの。
同社によると飼い主さんだけでなく、獣医さんにとってもこのデータをモニタリングすることで、動物病院に来なくても猫の状態を把握でき、飼い主さんに注意喚起やアドバイスができるようになるとしています。
また、トイレに設置する猫砂やシーツは既製品をそのまま使用することができるため、飼い主さんにとってはトイレ用品を変更する必要がないほか、猫にとっても使い慣れた猫砂のうえで用を足すことができます。
さらにトイレ本体には自動掃除機能が搭載されるため、トイレを清潔に保ちながら、飼い主さんと愛猫の快適な暮らしをサポートできる製品になるとのこと。
この猫トイレの監修を務めるのは、ニュージーランド在住で米国獣医麻酔疼痛管理専門医でもある獣医師の佐野洋樹氏。
本記事の執筆時点では価格は未定ですが、累計で調達した開発資金は1億円に達しており、2018年の8月8日より販売を開始する予定となっています。
猫の腎不全については2016年、東京大学の宮崎徹教授らの研究チームが猫に腎不全が多い原因を解明し、新薬の開発などによりネコの健康寿命を大きく延長できる可能性があると発表して大きな話題になりました。
今回ご紹介した猫トイレなども含め、さまざまなアプローチで猫の健康をサポートする環境が整いつつあるのは、飼い主さんにとっては嬉しいことですね。