猫は招き猫のことをどう思ってるの?写真家が神社で遭遇したミステリアスな光景にそのヒントがあった

私たち人間から見ると、「猫」と「招き猫」は外見的に似た特徴を持っていますが、猫の目には招き猫がどのように写っているのでしょうか。仲間のように見えるのか、縄張り争いをする相手に見えるのか、はたまた眼中にないのか…。

写真家の阪靖之さんが今月、近畿圏内のとある神社を訪れていたところ、招き猫の群れの中に紛れ込んでいる一匹の茶トラ猫を発見。そこで撮影された写真には、猫と招き猫の関係性を表しているような光景が捉えられていました。

たくさんの招き猫に囲まれた茶トラ猫の写真 by 阪靖之
実際の写真(提供:阪靖之さん)

神社の敷地にびっしりと置かれた大量の招き猫。

そのボディーカラーは黒・白・金など色とりどりで、お金を招くとされる右手を挙げた招き猫や、人や客を招くとされる左手を挙げた招き猫などポーズもさまざまですが、その多くは右側を向いています。

ところが、真ん中にいる茶トラ猫だけはまっすぐにカメラの方を向いて凝視。まわりを囲んでいる招き猫に対しては、警戒するような気配や素振りがないように見受けられます。

現地で撮影した阪さんに詳しいお話を聞いてみると、実は数年前にもこの神社に来たことがあるのだそうで、その時に少し猫を見かけた記憶があったことから、この日も猫がいたらいいな…という淡い期待を持って訪れたと言います。

狸の置物に囲まれた三毛猫の写真 by 阪靖之
前回訪れた時に撮影された写真

そして神社に到着し、さっそく猫を探そうと思ったところ、いきなり写真の光景に遭遇したのでビックリしたという阪さん。茶トラ猫は突然現れた人間に警戒しているのか興味津々なのか、ピンと立てた両耳をこちら側に向けながら、1分ほどこのポーズのまま佇んでいたのだとか。

その後、写真を撮り終えた阪さんがしゃがむと、「にゃーにゃー」と鳴きながらこちらへ寄ってきた茶トラ猫。その行動は一貫して招き猫に興味がない様子だったのだそうで、「招き猫を避けながらこちらに寄ってきましたが、猫にとって招き猫はただの障害物みたいです。」と、目撃した時の印象を振り返ってくれました。

この後、猫の声を聞いた周りの観光客がすぐにやってきて、撮影会状態になってしまった茶トラ猫。それでも動じず、しばらくは境内をうろうろしていたそうですが、最終的にはお堂の裏の方に去って行ってしまったのだそう。

一方、阪さんは神社に滞在中、全部で5〜6匹くらい見かけたそうですが、その多くは警戒心が強くて人に寄ってくることはなく、物陰でこっそり寝ていたと言います。

今回、インタビューに応じてくれた阪靖之さんは、カメラ雑誌を見ながら独学で写真を学び始め、鉄道やスナップ、花などを撮影する傍ら、猫カレンダーに応募するため写真を撮ったことをきっかけに猫の撮影も開始。

これまでに様々なグループ展に猫の写真を出品していて、3月21日から始まる「Japan Stray Cats Photographers 第3回 写真展 in 大阪」にも作品が展示される予定となっています。

期間:2024年3月21日(木)~24日(日)
時間:11:00~19:00(最終日17時まで)
会場:ギャラリー1616/ROJIギャラリー1616
住所:大阪市浪速区恵美須東1丁目16-16

取材協力:阪 靖之(@yasuyuki_saka)さん

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