猫が車に入り込みやすいのは冬…よりも梅雨の時期!JAFがエンジンルームに入り込んだ猫の救援件数を発表
外で暮らしている猫たちは、落ち着いて休める場所を求めて、車のエンジンルームやタイヤの間に潜り込んでしまうことがあります。
運転手がそれに気づかずエンジンをかけて発車してしまうと、猫がエンジンベルトやタイヤに巻き込まれたりエンジンルームの高熱にさらされたりして、猫にとっても運転手にとっても恐ろしい事態になりかねません。
そんな悲しい事故を防ぐために、2016年頃から叫ばれるようになったのが「猫バンバン」。エンジンをかける前に車のボンネット付近を「バンバン」と優しく叩いてやると、中に隠れていた猫がびっくりして逃げ出してくれるとの理由から推奨されているアクションで、寒くなると少しでも暖かい場所を求めて猫がやってきそうなことから、冬の時期に注意を呼びかける運動が広まりつつあります。
しかし、自動車の故障救援サービスを行うJAF(日本自動車連盟)が先月発表した資料によると、ドライバーから「エンジンルームに猫が入り込んでしまった」と救援要請があった記録を集計したところ、今年の1月には月間で21件だったものの、半年後の6月には284件と13.5倍に急増。
猫がクルマに入り込むトラブルは、真冬よりも暖かい時期の方が多かったことが明かされています。
一体なぜなのか。その理由を探るべく6月の要請件数データを日別に見てみると、沖縄・奄美諸島を除く地域で梅雨入りとなった時期から増加していることが判明。
加えて同月の天気と照らし合わせたところ、救援要請が多い日は全国的に雨や大雨の日が多かったことから、水に濡れるのを嫌がった猫が雨を避けるため車へ避難したと推測されます。
また、JAFでは猫の出産時期も関係していると指摘。猫は日照時間の長い2月~4月や、暖かい6月~9月の間に発情期を迎えるため、春や秋に出産が多いとされる動物。今回調査した6月は、ちょうど春に生まれた子猫が活発に動き始める時期でもあり、それもトラブル件数が増えることに繋がった一因と考えられるようです。
その他にも、6月に救援要請のあった284件のうち3割はエンジン始動後に連絡があったことから、ドライバーの側も暖かい時期ということで猫に対する注意が低下していた可能性があるほか、都会では街並みの整理が進んで猫の隠れる場所が減少していたりと、猫が車の中や下に潜り込むのは複合的な要因が絡み合っている可能性が高いと言えます。
いずれにせよ、今回のJAFの発表は、猫バンバンが寒い日だけでなく、暖かい日にも効果的であることを示唆。
特に雨の日や子猫が生まれて活発に動き始める時期は、ボンネットの付近をやさしくたたき、エンジンをかける前に数秒静止して、猫の気配がしないか確認してみるのが良さそうです。
<参考>
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・猫の交通事故を減らす取り組み!イエローハットが京大監修のもと開発した「猫飛び出しサイン」を公開
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