新聞の連載が書籍化!熊本県の猫島「湯島」で暮らす猫たちの日常を追った写真集が登場
熊本県にある猫島、湯島(ゆしま)で暮らす猫たちの日常を追った写真集「猫島ありのまま 上天草・湯島」が8月5日に刊行されました。
湯島は熊本県と長崎県のほぼ中間にある有明海に浮かぶ離島で、人口約300人に対して200匹ほどの猫が暮らす周囲4kmほどの小さな島。本書は、そこで暮らす猫たちを1年間にわたって撮影し続けた数万枚にものぼる写真の中から厳選したものを収録した写真集で、離島でのびのびと生きる猫たちの表情が捉えられています。
発行社は熊本県の地方紙、熊本日日新聞社(くまもとにちにちしんぶんしゃ)。
もともと地域密着報道の一環として離島の生活に迫ることを検討していた同紙が、県内で唯一「猫島」をPRし始めていた湯島に着目したことがきっかけで開始した連載企画「猫島ありのまま 上天草・湯島」を書籍化したもので、連載の取材は3名のチームによって毎月10日前後、ほぼ1年間通い続けて撮影が行われたと言います。
誌面に掲載できない未公開の写真を有効活用しようと連載開始直後から始めたインスタグラム(@kumanichi_nekoshima)には当初の予想をはるかに上回る反響が寄せられたほか、今年の1~3月にかけては同社内にある新聞博物館にて企画展「猫島ありのまま」展を開催。会場には連載記事や未掲載写真を含む200点が展示され、県の内外から5,000人を超す人々が訪れて盛況を博しました。
そのような背景に加えて、新聞の読者やインスタグラムのフォロワーより書籍化の強い要望を受けたことから本書の出版を決定。写真集には2017年7月~2018年3月までかけて夕刊で連載された、90回にのぼる本編と7回の番外編がすべて収められています。
優しい目で微笑む漁師さん
お魚くわえて「ドヤ顔」
地域密着報道を起点にした企画であることから、単に「猫がかわいい」という内容に終始していないのも本書の特徴。
離島でのびのびと生きる猫たちの目線を通して、人口減少や不便さなどの課題に直面しながらも人と生き物に寛容な島人の暮らしぶりや、人間と猫との共生などについて取材を重ねており、「本当の豊かさとは何か」という現代社会が抱える課題解決のヒントを考えるという狙いも本書には込められています。
連載は4月から続編の「日めくり猫島 湯島」が夕刊でスタートしていて、インスタグラムでも紙面と同じ内容が配信されていることから、その情報は全国で見ることが可能。また、本書の出版を記念したLINEスタンプも公開されていますので、興味のある方はチェックしてみては。
発売:2018年8月5日
体裁:AB判/160ページ/オールカラー
定価:1,620円(税込)
発行:熊本日日新聞社
画像提供:(C) Kumamoto Nichinichi Shimbun.