「好き」という気持ちの大切さを教えてくれる、黒猫ミイさんの成長を描いた絵本「バレエのおけいこ」
バレエを通じて黒猫が成長していく様子を描いた絵本作品 「バレエのおけいこ」が3月12日(木)に刊行されました。
主人公は、バレエが大好きな黒猫のミイさん。
人間の子供たちに交じって練習したり、ぬいぐるみのクマ先生にレッスンをしてもらったりと、ちょっぴり不思議な世界に迷い込んだような感覚に包まれながらストーリーが展開していきます。
<ストーリー>
バレエ教室に通いはじめた猫のミイさんは、人間のお友だち まいちゃんと同じレッスンクラスになることが夢。おけいこが楽しくてたまりません。ところがあと一歩のところで、ピルエットがまわれず夢は遠のきます。やってもやってもうまくいかないどころか、まわるのがこわくなってしまいました。
そんなある夜、ぬいぐるみのクマ先生が、内緒のレッスンをつけてくれました。
そしてついに…
初めてぶつかった壁に立ち向かうミイさんの成長を通して、なにかができるようになる喜びや、「好き」という気持ちの大切さ、そっとそばで見守ってくれる大人の存在感などが描かれています。
著者は石津ちひろさん(文)と、庄野ナホコさん(絵)。
石津さんは「なぞなぞのたび」(フレーベル館)でボローニャ国際児童図書展絵本賞を、「あしたうちにねこがくるの」(絵・ささめやゆき、講談社)で日本絵本賞を受賞している絵本作家。
回文、なぞなぞなど、言葉あそびの絵本を多く手掛けており、「くだものだもの」(絵・山村浩二、福音館書店)、「しりとりあいうえお」(絵・はたこうしろう、偕成社)などの著作を発表している傍ら、詩人や翻訳家としても活動。詩集「あしたのあたしはあたらしいあたし」(理論社)で三越左千夫少年詩賞を受賞しているほか、バレエへの造詣も深く、バレエダンサーのシルヴィ・ギエム氏やジョルジュ・ドン氏の来日時には通訳を務めています。
一方の庄野さんはイラストレーター兼、絵本作家。
動物の仕草や表情に独特のユーモア漂う画風で注目を集め、これまでに「ルッキオとフリフリ」シリーズや「北極サーカス」(講談社)、「しろくまきょうだいのセイウチまつり」(小学館)など多数の絵本を発表しているほか、装画や挿絵の仕事も数多く手がけ、雑誌・BRUTUS「本屋好き」特集のシロクマの表紙で人気を博しています。
本書はそんな石津さんが紡ぐ温かなストーリーと、庄野さんが描くユーモラスで表情豊かな動物たちが織りなす物語で、子どもも大人も「すき」な気持ちがあれば、だいじょうぶ、きっとできると、そっと背中を押してくれるような、そんな心温まる絵本作品となっています。
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