江戸から近現代までの美術作品展「アートになった猫たち」栃木で開催中
江戸時代から近現代まで、昔も今も人を惹きつけてやまない猫の魅力が詰まった美術作品展、「アートになった猫たち 今も昔も猫が好き」が栃木県のとちぎ蔵の街美術館で開催されています。
猫は古くから日本人の生活に深く寄り添ってきた動物で、一説によると日本に猫が伝わったのは6世紀の半ば頃と言われており、その後は貴族や武士、庶民などに広く愛され、さまざまな美術作品のモチーフとして描かれてきました。
特に今から200年前の江戸時代後期には、現代さながらの猫ブームがたびたび到来していて、浮世絵では、美人画や戯画に描かれ、女性と戯れる猫、踊る猫、芸をする猫のほか、化け猫の姿でも登場し、歌川国芳の描いた猫は大変人気を博しました。
そして近代になると、画家の竹久夢二や藤田嗣治らが作品に猫を採り入れています。
本展ではそれらの画家に加えて歌川広重、三代歌川豊国、歌川芳藤、月岡芳年、高橋弘明、夏目漱石など、江戸から明治、昭和、さらには現在も活躍している作家の作品が集結。近現代絵画から浮世絵、立体作品まで、猫づくしの作品の数々が展示されています。
展示構成
第1章 アートになった猫たち
第2章 猫を愛した芸術家たち
第3章 今も昔も暮らしの中に猫がいる[江戸編]
第4章 今も昔も暮らしの中に猫がいる[明治編]
展示作品(一例)
明治30年(1897) 大判錦絵
歌川国芳《猫の当字 ふぐ》
天保13年(1842)頃 大判錦絵
高橋弘明《毬と遊ぶ白猫、黒猫》
昭和4~7(1929~32)頃 木版画
また併設展として、同館所蔵の喜多川歌麿の肉筆画「女達磨図」(前期)、「三福神の相撲図」(後期)、「鍾馗図」(後期)、田中一村の没後40年を記念して一村が奄美大島で撮影した写真など、約10点の作品を前期と後期に分けて展示。
会期中はその他にも、ワークショップや鑑賞会などのイベントが予定されています。
■ワークショップ
内容:プラバンで猫キーホルダーを作ろう!
日程:11/23(木・祝)、12/10(日)、12/23(土)
時間:13:00〜16:00まで随時(受付は15:30まで)
会場:とちぎ蔵の街美術館
費用:無料(観覧券は必要)
■蔵の建物と作品鑑賞会
日時:11/18(土) 14:00〜(50分程度)
会場:とちぎ蔵の街美術館
集合:美術館受付(観覧券を購入)
■担当学芸員によるギャラリートーク
日程:11/12(日)、12/2(土)、12/17(土)
日時:14:00〜(40分程度)
会場:とちぎ蔵の街美術館
集合:美術館受付(観覧券を購入)
会場となる「とちぎ蔵の街美術館」は今からおよそ200年前、江戸時代の後期に建てられた土蔵(通称:おたすけ蔵)3棟を改修して2003年に開館した美術館で、栃木市ゆかりの作家の作品を中心に収蔵。
漆喰でできた重厚な壁や天井を走る巨大な梁が織りなす空間と、猫をモチーフにした美術品の共演を楽しんでみてはいかがでしょうか。
アートになった猫たち 今も昔も猫が好き
期間:2017年11月3日(金)~12月24日(日)
併設展 前期:11月3日(金)~11月26日(日)
後期:11月28日(火)~12月24日(日)
時間:10:00〜17:00
※入館は閉館の30分前まで
休館:毎週月曜、11月24日(金)
会場:とちぎ蔵の街美術館
料金:一般500円、中学生以下は無料
身体障害者手帳、療育手帳、障害者保健福祉手帳の交付を受けている人、およびその介護者1名は無料
画像提供:Tochigi Kuranomachi Museum of Art