愛猫の暑さ対策してる?日本気象協会が「イヌ・ネコの熱中症予防対策マニュアル」を公開
気象知識や防災思想の普及などを行っている一般財団法人・日本気象協会が8月より「イヌ・ネコの熱中症予防対策マニュアル」を無償で配布しています。
これは熱中症にかかる人を減らし、亡くなってしまう人をゼロにすることを目指して同協会が推進している「熱中症ゼロへ」プロジェクトの一環として昨年から配布しているマニュアルで、日本動物愛護協会と協力して作成。
猫や犬を飼っている飼い主さんに向けに、ペットの熱中症予防や啓発内容がまとめられています。
日本では猫を室内飼いをしている家庭が多く、犬に比べて外に出歩く頻度が少ないものの、人間と同じように高温多湿な環境に長時間さらされることで熱中症にかかる可能性があります。
同マニュアルではイヌ・ネコの熱中症について「1.症状」「2.予防と対策」「3.応急処置」の3章に分けて解説。
1章の「症状編」では、以下のような初期症状が見られる時は体温測定を行い、40度を超える場合は熱中症の疑いが濃厚であると指摘しています。
<初期症状の例>
・ハァハァと激しく呼吸している
・よだれが大量に出ている
・歯肉や結膜などが充血/うっ血している
・心拍数が増加している
また、虚脱状態や下痢・嘔吐など症状が重篤化している場合は、直ちに動物病院へ連れて行く必要があるとしています。
そのような状態にならないように、日頃からペットを高温多湿の環境に置かないことが重要で、続く2章の「予防と対策編」では、屋内・屋外・車内の3つのシーンにおいてそれぞれ注意すべき点を紹介。
例えば屋内の場合であれば「風通しを良くしておく」「ペットが自由に居場所を選択できるようにしておく」「暑い時期の室内温度は26℃以下にする」「ペットに直接日光が当たらないようにする」といった予防策が提示されています。
では愛猫・愛犬が実際に熱中症になってしまった場合は、どのように行動したらよいのか。
3章の「応急処置編」では直ぐにやるべき事項として、「常温の水をかける」「水で濡らしたタオルなどで包む」「涼しい場所で風を送る」といった処置を推奨。具体的に冷やす場所として「前足の付け根の内側」「頭部喉側から首」「後ろ足の付け根の内側」などの部位が挙げられています。
熱中症の治療が遅れてしまうと死に至る危険性が高まるため、熱中症が疑われる場合は早急(症状の出現から90分以内)に治療をすることが大切で、応急処置を行った後は直ちに動物病院を受診するよう注意喚起しています。
この「イヌ・ネコの熱中症予防対策マニュアル」は携帯しやすいポケットサイズ(8ページ)で、日本獣医師会の加盟病院にて2020年7月から配布を行っているほか、日本気象協会のHPからもダウンロードすることができます。
<参考>
・猫のジャンプ回数が病気の早期発見に繋がる可能性も…!国内企業の研究結果が米科学雑誌に掲載
・ニャンと砂の色が5色に変化するッ…!自宅で手軽に尿検査できる猫砂「しぐにゃる」誕生
・猫に多い病気は下痢や皮膚炎!?保険金の請求データから見る「猫の傷病ランキング2020」