世界初?猫の短歌を詠む歌人、仁尾智さんによる短歌&エッセイ集「猫のいる家に帰りたい」
13年間におよぶ猫たちとの日常を短歌とエッセイで綴った書籍「猫のいる家に帰りたい」が2020年6月24日に刊行されます。
愛猫の名前を呼んでも無反応、カメラを向ければ退屈そうにするあくび。しかし、どんなにつれなくされても、ひざに乗られると「もしかしたら俺、好かれているのかも」と一喜一憂してしまう。
一方で、保護した猫を里親の元へ届ける日には寂しさを感じ、そして必ず訪れる看取りの時――。
本書にはこれまでに何匹もの猫を保護したり、里親に出したり、看取ったり、命と向き合ってきた著者による、思わず笑ってしまう“猫あるある”から心にしみるエピソードまで、猫好きに刺さる短歌とエッセイが100ページ以上にわたって収録されています。
例えば「愛に似て 生温かく やや痛い 猫におでこを 舐められている」という短歌(26〜27頁)。
猫が時折見せる愛情表現らしき仕草に心が揺れるという著者。その仕草はお腹を見せたり、鼻や体を擦り付けてきたり、目が合うとうなずくようにゆっくり目を細めたりと、猫によって個性があるのだとか。
そんな中で最も悩ましいのが「腕や顔を舐めてくる猫」であると述懐。一点集中型で同じ場所をザリザリとひたすら舐め続ける猫に対し、痛みを感じながらもこれは愛なのだと思い込み、終わるまではじっと耐えて我慢する猫飼いの心情が表現されています。
その他にも各短歌やエッセイには、さまざまなエピソードが盛りだくさん。
著者は猫歌人で猫エッセイストの仁尾 智(にお さとる)さん。
過去に何匹もの猫を保護したり、里親に出したり、看取ったりしてきた愛猫家で、2004年から短歌を創作。2007年からは猫専門誌『ネコまる』で「猫の短歌」の連載を13年、2016年からは姉妹誌『猫びより』で「猫のいる家に帰りたい」の連載を3年に渡り継続しています。
本書はそんな仁尾さんの連載を再構成して一冊の本にまとめたもので、単行本化にあたり『ネコまる』の連載で写真だった部分が、人気イラストレーターの小泉さよさんによる描き下ろしイラストに差し替えられており、猫への眼差しの温かさがに滲む色鉛筆画が悲喜こもごもの記録に彩りを添えているのも見どころ。
読めば傍らの猫を撫でたくなる、家に猫がいることの幸せをしみじみと感じられる、そんな一冊となっています。
また、初版には仁尾さんの猫短歌がプリントされた限定のポチ袋が1枚付属。
大人気の猫用おやつ「CIAOちゅ~る」とコラボした専用のポチ袋で、3種のデザインのうち1枚がランダムで封入されており、愛猫にちゅーるを上げる時に使うのはもちろん、猫友だちへのプチギフトとして贈ったり、ひもを通せば読書する際にしおりとして使うこともできます。
画像提供:TATSUMI PUBLISHING CO.,LTD.