猫の防音対策
アパートやマンションで猫を飼う時は、よほどの防音性能を持った部屋でない限り、上下左右の部屋に住んでいる人への配慮が必要です。
足音、床の防音対策
まず気をつけたいのが、猫が床に飛び降りた時の音。
猫は上下運動が大好きなので、キャットタワーやキャットウォーク、高さのある家具から一気に床へと飛び降りてきます。猫の平均体重は3.6kg〜4.5kgと言われていますが、それぐらいの重さのものが1メートル以上の高さから床に降りてくるのです。
肉球や背骨などで衝撃を吸収しているとは言え、下階への振動音は避けられません。特に、床がフローリングの場合や、夜中の時間帯でも猫が自由に飛び降りたりできるようにしている場合は、防音対策をしておいた方がよいでしょう。
猫が床を走り回る音も同様に響きますので、できれば猫の生活エリア全体に防音対策を施したいところですが、費用や手間がかなりかかってしまうので、最低限、猫が高所から着地する箇所にだけピンポイントで防音対策をすることをお勧めします。
防音、遮音カーペット
カーペットの中にクッション性の素材が入っていて、猫が床に着地した時の衝撃を吸収するカーペット。かなり厚みのあるものを敷いておくと、人が歩いた時の安定感が若干損なわれる感じはありますが、防音性能は悪くありません。筆者の場合はこれを使っています。
低反発マット
商品によって防音効果は大きく変わりますが、衝撃の吸収力が高いものであればかなり防音性能は高いです。カーペットと比べて小さいものが多いので、部屋に敷き詰めるというよりは高所からの着地ポイントに重点的に配置する使い方がよいでしょう。マットが動いてしまうと意味がないので、どうやって固定するかを検討する必要があります。
コルクマット
いろんなサイズがあって、ジョイント式で組み合わせの自由度もあり、おまけに低価格です。分厚いものなら防音効果もそれなりにあります。しかし、コルクマットで爪とぎをするのが好きな猫だと、コルクマットがぼろぼろにされてしまう恐れもあります。
厚みのあるマット
マイクロファイバーのラグマットや、もこもこしたバスマット(お風呂用のマット)など。防音対策用に作られているものではありませんが、厚みがありますのでないよりは断然あった方がよいでしょう。
いずれも、完全に猫の足音を消すことはできませんので、近隣から苦情が来てしまうようなら夜中はケージの中に入ってもらったり、「防音カーペットの敷き詰め+着地ポイントに低反発マットを設置」などの組み合わせなどを検討してみてください。
鳴き声対策
猫が鳴く声も住居の構造や時間帯によっては近隣への騒音となってしまいます。
足音による騒音は環境を整えることで対策を行うことができますが、鳴き声の場合は猫自身と向き合って解決したりサポートしてあげる必要があります。
発情期の鳴き声
発情期に入るとオス猫は突然大きな声で鳴き、メス猫は人間の赤ちゃんのような声で鳴き続けます。
家に居ると、何処からともなく人間の赤ちゃんっぽい泣き声が聞こえてきた、という経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。それがおそらく猫の発情期の鳴き声です。近隣に迷惑がかかるだけでなく、同じ室内で鳴かれ続けると飼い主の精神的もかなり負担が生じます。
発情期に鳴くのは猫の本能なので、叱ったりなだめたりしても止めさせることはできません。一番良い解決策は不妊手術を受けさせることです。
猫に子供を生ませるのは相当の覚悟が必要ですので、望んでいなければ早期に去勢手術または避妊手術を受けましょう。手術を受けると発情期の鳴き声の他にも、スプレー行為を止めさせたり、病気のリスクを減らしたりする効果もあります。
不妊手術を受けさせるか子供を生ませるか考えたこともない場合は、いちど不妊手術、飼い主の法的義務などの記事をご覧のうえ、真剣に考えてみてください。
夜鳴き(子猫)
発情期に入っていない子猫が夜鳴きをすることがあります。理由としては、お腹が空いていたり、暑いまたは寒い、トイレで排泄をしたい、といったような理由が考えられますので、お世話をしてあげましょう。
夜鳴き(高齢猫)
昔からあまり鳴かなかった猫が、年をとってから突然鳴くようになることがあります。
ひとつは病気の可能性が考えられます。猫も年をとると人間と同じようにさまざまな病気にかかるリスクが高まります。夜鳴きが続くようであれば動物病院に行って獣医さんに診てもらいましょう。
また、高齢の猫には病気ではなく認知症と思われる症状が出るとも言われています。明確な対処法は確立されていないようですが、鳴いても優しく接してあげて、飼い主さんにできることを獣医さんに相談してみましょう。