猫の去勢手術、避妊手術

メス猫は生後4ヶ月、オス猫は生後5ヶ月ごろから発情し、交尾をすると非常に高い確立で妊娠します。

1回の出産で生む数は1〜9匹と言われており、生まれてきた猫をすべて終生飼育する、または里親を探すことができなければ、子を生ませないほうが良いでしょう。(経済的や家庭の事情などで自分の手に負えなくなり、猫を衰弱させたり外に置き去りにすると犯罪行為で処罰されます)

猫は発情期になると、飼育するうえで問題となる行動が多くなりますが、不妊手術を行うことで回避したり病気のリスクを減らしたりするメリットがあります。


猫が発情した時の問題行動

猫にとっては自然な行動ですが、お世話をするうえで問題となる行動が現れます。

スプレー行為 / 尿マーキングをする(♂♀)

スプレー行為(尿マーキング)とは、主にオス猫が尻尾をピンッと上にあげて壁などにおしっこを吹きける行為で、メス猫でも行うことがあります。普通のおしっこより臭いがきついため掃除や消臭が大変です。飼い主さんの精神的負担もかなり高くなります。

大きな声で鳴く(♂)
人間の赤子のような声で鳴き続ける(♀)

オスとメスでは鳴き方が違いますが、家の中で鳴かれ続けると大変ストレスに感じる人が多いと思います。夜中でも構わず鳴きますし一晩中鳴き続けることもあるので、不眠で悩む飼い主の方も少なくありません。


近所に外猫がいる場合はオス猫とメス猫の鳴き声の応酬になってしまい、近隣トラブルになることもあります。これは猫の本能なので、叱ったり何かで気を紛らわせたりして止めさせることができるものではありません。

去勢 / 避妊手術のメリット

スプレー(マーキング)対策

オス猫は去勢手術をすることで、発情によるスプレーやマーキングが完全に無くなる、またはかなり減らすことができます。一般的には術後、徐々に減っていくことが多いですが、習慣になってしまっていたりして完全になくならない場合は、獣医さんに対策を相談してみましょう。

また、去勢手術をしても発情とは別の要因でスプレーをする猫もいます。例えば来客や見慣れないものが自分の縄張り侵入すると不安になってしまい、おしっこで自分の臭いをつけて安心感を得ようとします。そうした場合は不安を解消してやることでスプレー行為を減らすことができます。

攻撃性が弱まる

オス猫は発情期になるとメス猫を求めて外に出たそうな素振りを見せたり、縄張り意識が強く攻撃的な性格になったりしますが、去勢手術をすることで外に出たがらなくなって攻撃性も弱まり、穏やかな性格の猫になります。

鳴き声が静まる

去勢手術、避妊手術を行った後は、発情期に見られるような特有の鳴き方はほとんどしなくなります。オス猫の大声鳴きやメス猫の一晩中鳴きなどがなくなると思いますので、飼い主さんにとってこのメリットはかなり大きいはずです。

病気の発症リスクを軽減する

不妊手術を行うことで以下の病気が発症するリスクを軽減することができます。

■乳腺腫瘍(乳がん)
猫の乳腺腫瘍はほとんどが悪性で乳がんになります。完治することはほとんどありません。

■子宮蓄膿症 ♀
子宮に膿が溜まってしまう症状が見られやすい病気で、悪化すると命の危険があります。

■精巣がん ♂
発生確率は高くありませんが、発症すると去勢手術にくわえ陰嚢も取り除く必要があることも。

■卵巣がん ♀
こちらも発生確率は高くありませんが、発症すると子宮・卵巣を取り除かなければなりません。

不妊手術を受ける時期

手術を受けられるのは大体生後6ヶ月、体重が2キロ以上あることなどが目安となりますが、スプレー行為などは一度行うと癖で術後も続いてしまうことがありますので、可能であれば上でご紹介した問題行動が見られる前に手術を行ったほうが良いです。猫の体調や個体差もありますので、獣医さんと相談して決めましょう。

去勢/避妊手術をした後の注意点

不妊手術をした猫は生殖に必要なカロリーを摂る必要がなくなりますが、手術前と同じ量のキャットフードを与え続けてしまうと、余分にカロリーを摂取することになってしまうため、肥満になりやすくなります。

食事の量をあげすぎないように調整して、一緒に遊んであげたりして運動させるようにしましょう。

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