琉球王国時代に描かれた「神猫図」を初公開!首里城で動物をテーマにした企画展が開催中

ネコや鳥といった身近な動物から、龍などの想像上の神獣まで、さまざまな動物をテーマにした作品を展示する企画展「琉球 美の動物園~琉球人が描いた生き物たち~」が沖縄県那覇市の首里城公園で10月4日(木)まで開催されています。

首里城正殿・御庭のイメージ写真首里城正殿 / 御庭

首里城公園とは、1429年から1879年の450年間にわたって存在した琉球王朝の王城・首里城正殿を中心とした有料区域をはじめ、無料区域の城内、守礼門や円覚寺跡、弁財天堂などの周辺文化財からなる公園のこと。

本展はその一部の施設を使って行われる企画展で、日本風の儀式が行われ薩摩藩の接待所としても用いられた「南殿」の2階特別展示室と、国王や王妃・王母のプライベートな空間であった「黄金御殿」にて、琉球王国時代の美術工芸品の中に生き生きと描かれた動物たちにスポットを当てた展示内容となっています。

 


南殿二階特別展示室

南殿二階特別展示室では、「猫」「鳥」「栗鼠(りす)」「虎」4種類の実在する動物をモチーフにした絵画や染織衣装、漆器などが展示されます。

黒漆葡萄栗鼠箔絵食籠黒漆葡萄栗鼠箔絵食籠

中でも琉球王朝時代に描かれたネコの絵画「神猫図(しんびょうず)」は、首里城公園で初公開となる作品です。

琉球王朝時代に描かれたネコの絵画、神猫図(武永寧作)神猫図(武永寧作)

神猫図(しんびょうず)の拡大写真拡大図

現代では多くの人々を魅了している猫ですが、当時の琉球人からも愛される存在であったことがうかがえます。

 

黄金御殿特別展示室

黄金御殿特別展示室では、権力や平和の象徴とされた「鳳凰(ほうおう)」や水と関係が深い「龍」、守り神の「獅子」、徳の高い王の治世に現れたという「白澤(はくたく)」など、伝説的な神獣が描かれた作品が展示されます。

苧麻白地鳳凰と扇牡丹文様両面紅型単子供衣裳苧麻白地鳳凰と扇牡丹文様両面紅型単子供衣裳

万物の情報に通じ人の言葉を理解し、災いを取り除くことができるとして知られた「白澤(はくたく)」は中国の故事を元としていますが、作品に描かれていることから古くより琉球に伝わる神獣だったと考えられます。

白澤之図(自了作)白澤之図(自了作)

会場にはその他にもさまざまな動物をテーマにした作品を展示。当時の人たちが動物に注いだ眼差しや、どのような思いを込めて形にしてきたのかを感じながら楽しめる企画展となっています。

また、首里城公園の中には石で造られた獅子や龍の姿など、たくさんの動物たちが存在。企画展に訪れる際には、展示室以外の場所にいる動物も探してみてはいかがでしょうか。

 

首里城公園企画展

名称:琉球 美の動物園~琉球人が描いた生き物たち~

<南殿二階特別展示室>
会期:2018年7月6日(金)~10月4日(木)

<黄金御殿特別展示>
会期:2018年7月6日(金)~10月11日(木)

時間:8:30〜20:00(7〜8月)
  :8:30〜19:00(10月)
  ※入館券販売は閉館30分前まで
休館:7月の第1水曜日とその翌日
入館:大人820円、高校生620円、小中生310円
  ※6歳未満は無料

(C) Shurijo Castle Park/atpress.ne.jp

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