ふるさと納税で野良猫の命を救うニャ、生駒市が不妊手術の費用を全額負担する取り組みを開始

奈良県の生駒市(いこまし)は10月1日から、ふるさと納税によって集まった寄付金を活用して、野良猫の避妊・去勢手術の費用を市が全額負担する取り組みを開始したと発表しました。

キジトラの野良猫写真

ふるさと納税とは、自分の選んだ自治体に寄附を行った場合に、寄附額の大部分が税金から控除される仕組み。納税者の自己負担が軽減されるほか、寄付をすることで自治体の収入が増えるため地域貢献にもつながり、また自治体からはお礼の品が貰えるため多くの人々に利用されています。

返礼品の多くは地域の特産品や名産品としている場合が多いですが、中にはダイビング(秋田県男鹿市)やピザ作り(北海道倶知安町)などの体験サービスや、親の自宅のみまもり(群馬県安中市)や空き家の見回り(長野県須坂市)といった訪問型のサービスなど、品物だけでなく地域ならではの独自サービスを返礼品として提供している自治体もあります。


今回生駒市が始めたのは、寄付をした人に返礼品を送るのではなく、その分の資金が「地域ねこ活動」に充てられるというネコを愛する人々に向けた地域貢献の取り組み。具体的には地域ねこ活動サポーターなどの活動支援として、指定した動物病院で野良猫の避妊・去勢手術を行うと、その費用を市が全額負担するというもの。

生駒市のふるさと納税を活用した野良猫の避妊・去勢手術費用を全額支援の仕組み

また、ふるさと納税のうち「殺処分ゼロを目指す 猫愛護コース」に集まった寄付金を通じて、地域ねこ活動の体制を強化する3つの取組みを実施。

サポーターの募集を行いメンバーを増やすと共にその活動を支援するほか、パンフレットの配布や説明などを通じて猫の飼い方や地域ねこ活動の普及&啓発、さらに捨て猫を防止するために地域や市による監視の強化が予定されています。

猫は非常に繁殖力の強い動物で、年に複数回、1度に3~6匹の子猫を出産します。

野良猫のサバトラの子猫

屋外で飼っている猫でも避妊手術をしていない場合は予期せぬ繁殖をしたり、遺棄・迷子などによって日々新たな野良猫が生まれています。

現在でもフン尿や鳴き声、ゴミ漁りなど環境被害の相談が多く寄せられているという生駒市によると、94の自治会から回収したアンケートでは市内に270匹以上の野良猫が生息。

野良猫による被害を受けていると回答した自治会も約半数に及んでいることから、地域環境の保全と無秩序な繁殖の抑制、関係者の負担軽減に取り組むことが喫緊の課題となっており、今回の取り組みを開始するに至ったのだとか。

野良猫の子猫イメージ写真

同市によると、ふるさと納税を活用して野良猫の避妊・去勢手術の費用を全額負担するのは、市町村レベルでは全国で初めての取り組みになるとしています。

(C) Ikoma City

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