猫がテーブルまでお料理を運んでくれる!ネコ型の自動デリバリーロボット「BellaBot(ベラボット)」
人から人へ感染していく新型コロナウイルスの感染拡大により、飲食店ではキャッシュレスやパーティションなど様々な対策が講じられていますが、中には衛生対策の一環としてユニークな取り組みを行うお店も出てきました。
その一例が東京都千代田区にあるイタリアンレストラン「Gaston&Gaspar 御茶ノ水ソラシティ店」。日本では珍しいネコ型の配膳ロボットを2021年2月より試験的に導入しています。
このロボットの名前は「BellaBot(ベラボット)」。
店頭にいるロボットと言えば、日本では感情を認識する人型ロボット「Pepper(ペッパー)」くんが有名で、主に顧客とのコミュニケーション用途に使われていますが、ネコ型のベラボットは室内用の自動フードデリバリーロボットです。
人と接触するロボットは見た目が大事。ということで子供から大人まで親しみやすい猫をモチーフにした外見が特徴で、ドイツの国際的なプロダクトデザイン賞「レッド・ドット・デザイン賞」で最優秀賞を受賞したスタイリッシュなデザインに加えて、全身のライトを駆使しながら動く姿は近未来的な雰囲気を漂わせています。
ロボットの構造は、顔部分がタッチパネル対応の液晶ディスプレイで、胴体部分は配膳カート。
配膳カートに料理を盛り付けたお皿を乗せて、タッチパネルで目的地となるテーブルを指定すると、自動でお料理を運んでくれるというスグレモノ。
日本語を含む音声認識に対応しているため声で目的地を指示することもできるほか、「食事をお取りください」「お先にどうぞ」「ねぇねぇ、なでなでしてよー」「充電完了!」など、お客さんや店員との対話を想定した100種類以上の言葉を発することもできます。
※製品機能の一部であり、導入店舗において上記動作を保証するものではありません。
猫の顔は液晶ディスプレイで表示しているので、目がキョロキョロ動いたり、瞬きしたり、ウィンクしたり、時には怒りマークを浮かべたりと、数十種類の表情機能を使って多彩な感情を表現することが可能。
タッチセンサーを活用したスキンシップ機能も搭載していて、紹介ビデオの中では頭を撫でられると目を細めて嬉しそうにするネコ型ロボットの姿が公開されています。
飲食店の中には椅子や柱、店員やお客さんなど、ロボットがぶつかってしまいそうな障害物や人が溢れていますが、「ベラボット」は3Dカメラや複数のセンサーを搭載。
人や物とすれ違う時も接触を回避することができるほか、独自のVisual SLAM技術(カメラで撮影した映像から自己位置の測定&地図作成を同時に行う技術)によって、極めて複雑な形状をしたレストランでもスムーズに移動することができるのだとか。
このロボットの開発・生産を手掛けているのは中国のシンセン市に本社を構える「Pudu Robotics(プゥードゥーロボティクス)」社。
低速で自律走行ができるロボットをアジアや欧米などを中心に2000社以上の企業に提供しており、コロナ禍以降は非接触配送の需要の高まりを受けて病院・オフィス・レストランなどの場で活用が促進。一度に複数のトレイを利用できるため、飲食店にとっては開店準備や閉店作業の時間を短縮し、接客の質の向上などに繋がるメリットがあるとしています。
<参考>
・猫のようにしっぽでお返事♪クッション型ロボット「Qoobo(クーボ)」の小型版が登場
・鳴いたりしっぽも動くニャ!100通りの感情表現ができる猫型ロボット「あまえんぼうねこちゃん」
・食卓が楽しくなりそうニャ!熱々の食事を冷ましてくれる猫型ロボット「猫舌フーフー」
(C) Drone Future Aviation/Pudu Robotics Co. Ltd.