【猫の手貸しますニャ】農家の人にご飯をもらった猫ちゃんが軽トラの荷物を固定→まるで農作業のお手伝いをしているようだと話題に

誰でもいいから手伝って欲しい時に使われる「猫の手も借りたい」と言うことわざ。

もちろんこれは忙しさの程度を喩えたものであって、現実世界で猫が手を貸してくれる訳ではありませんが、SNSでは農作業を手伝っているような猫ちゃんの姿が注目を集めています。

猫の手、貸しますニャ

この写真が撮影されたのは、山口県下関市の中西部、豊浦町川棚にある農地。同地域で有機農業を営んでいる廣瀬さんが、ある朝、野菜の収穫作業を終えて軽トラックに戻ってくると、ガタガタッと音が鳴っていることに気づいたと言います。

車両の後方を確認してみると、猫が軽トラックのシートに付いているゴム紐を引っ張っている瞬間を目撃。真剣な表情をしながら一生懸命に紐を引っ張る猫の姿は、まるで荷台の積荷を固定しているかのような光景で、農作業のお手伝いをしているようにも見えるユニークな写真です。

荷崩れしないように頑張るニャ

この写真がSNSのX(旧Twitter)に投稿されると、4,000件を超えるリツイートと15,000万件の”いいね”を獲得。ツイートを見たユーザーからは「可愛すぎる」「積荷ヨシッ」「お手伝いしてるのかニャ?」「働きもの」など好意的なメッセージが寄せられて大きな反響を呼んでいます。

何とも微笑ましい光景ですが、当の猫ちゃんにお手伝いをしているつもりはなく、伸び縮みするゴム紐と戯れていただけ。

ゴム紐を引っ張る→離すを繰り返して遊んでいたものの、しばらくすると飽きてしまい、軽トラの下に潜ってゴロゴロと寝ていたのだとか。農作業の合間に猫のこんな姿を見ることができたら、さぞかし癒やされそうな気がしますね。

実は遊んでいるだけの猫ちゃん

とは言え、撮影者の廣瀬さんが猫と仲良くなったのは意外と最近で、今から3ヶ月ほど前のこと。

前職では近隣のスーパーマーケットに長い間勤めていて、当時から畑で野良猫を見かけることはあっても寄ってくることはなく、人を見かけたら逃げていく子がほとんど。そのため、猫に対して可愛いと感じることはあっても、それ以上に距離が縮まることはないまま過ごしていたと言います。

しかし、在職中に農業を営む人と知り合ったことをきっかけに、農作物を育てる仕事に興味を抱き始めて農業会社へと転職。今年の3月からは「ひろせ農園」として独立を果たし、自ら畑に出て農作物を育てるようになります。

そんなある日、農作業をしていると一匹の野良猫が至近距離までやってきて、ずっとこちらを見ていたことから「もしかして腹が空いているのかな?」と思い、初めて猫の餌を買いにコンビニへ走ったのが、野良猫との距離が縮まったきっかけ。

それからは猫が時々姿を現すようになったことから、作業小屋でご飯を与えていると、今度は親子らしき猫たちも一緒に連れてくるように。今では5匹の猫が朝・昼・夕方と毎日決まった時間にやってきて、ご飯が食べ終わったら軽トラの下に潜ってゴロゴロと過ごし、しばらくすると住処へ戻っていくというのがお決まりの行動パターンになっているのだとか。

仲良くご飯タイム

普段、猫たちは少し離れた場所にある林の藪の中を住処にしていて、エンジン音を覚えているのか廣瀬さんが軽トラで畑に近づくと、藪の中から一直線に飛び出してきて、尻尾をフリフリ揺らしつつ鳴きながらやってくるほか、3匹そろって待ってくれていることもあると言います。

これまで動物を飼ったことがなく、野良猫との関わり方についてもあまり知識がなかったという廣瀬さん。

SNSで猫たちの写真を公開していると、他のユーザーから「不妊去勢手術を受けさせるべき」との意見が寄せられたことから、居住地の動物愛護管理センターに問い合わせてみたところ、野良猫の不妊去勢手術に対して助成金が出ることが判明。費用面を考慮しながら順次対応していきたいと考えているのだそうです。

猫の手が増えても、農作業は捗らニャい

その行動力の源になっている猫の魅力について聞いてみると「私は農業を仕事としていますが、自然環境や植物との向き合い方、接し方みたいなところが、そこに同じように生きる猫たちとも共通するところを感じて、癒しにもなります。また、向けた愛情を素直に受け取ってくれる姿も、植物と向き合うのに似ているところに魅力を感じつつ、植物であれ動物であれ、命と向き合う農業という仕事と相性が良いと感じました。」と回答。

そのうえで「猫は一日中ゴロゴロしてるイメージですが、規則正しく生活していて、決まった時間や決まった場所にいることが多いので、一度接点を持つと自分の生活サイクルの中に猫も自然と入り込んだような感じがします。」と、自身との相性の良さについても語ってくれました。

そんな廣瀬さん。居住している地域では高齢で農業が続けられず、後継者もいないことから、耕作放棄地が増えていく現状を憂慮している一方、農業には自然や地域、人、動物、植物たちと日々向き合いながら仕事をできる魅力があるとも感じているのだそうで、自身のSNSでは農作物を育てている様子などを発信しています。

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取材協力:廣瀬 達也-ひろせ農園-(@hiro_ibo)さん

<参考>
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