18キロ超えの巨漢猫「パッチズくん」が米国バージニア州で保護→新しい家族が見つかりダイエット生活をスタート
まるまると太った猫の姿は、キャラクターやぬいぐるみのような外見と似ていて、愛嬌を感じさせる風貌をしています。
しかし、猫の肥満は健康や命を脅かす深刻なリスク要因。そのまま放置してしまうと、糖尿病や呼吸器不全などさまざまな病気にかかりやすくなるほか、免疫機能が低下して感染症にもかかりやすくなってしまいます。
アメリカ・バージニア州のリッチモンドで話題になっているパッチズくんも、そんな太りすぎてしまった猫の一匹です。
これは現地の動物保護施設が4月19日にFacebookへ投稿した写真で、スタッフに重そうに抱きかかえられたパッチズくんの姿。小柄な猫の倍くらいはありそうな巨漢のパッチズくんは、体重がなんと40.3ポンド(約18キロ)もあります。
施設では特別に調整した食事を与えながら運動計画を立てていて、去勢手術や健康診断、マイクロチップの挿入も済んでいるため、Facebookでは「今日からすぐにでも飼えます!」というコメントと共に里親募集の呼びかけを行っていました。
この写真を見たユーザーからは「可愛いけれど可哀想」「こんなになるまで食べ物をあげるなんて動物虐待」「減量できるように祈っています」など、パッチズくんの可愛さに魅了されつつも健康を心配する声が続出。SNSで広く拡散されたのが功を奏したのか、翌日には早くも里親さんが見つかっています。
このニュースはワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズなど、アメリカ国内をはじめ様々なメディアに取り上げられ、多くの人々に知られることとなりました。
新しい家族が見つかったのは喜ばしいことですが、かなり太っているように見えるパッチズくん。命の危険はないのでしょうか。保護していた施設「Richmond Animal Care and Control(リッチモンド・アニマル・ケア・アンド・コントロール)」に直接聞いてみました。
――パッチズくんはどのような経緯で保護されたのですか?
元の飼い主が世話をすることができなくなったため、4月4日に私たちのシェルターが引き取りました。
――パッチズくんはかなり太っているように見えますが、 獣医学的に見て大丈夫なのでしょうか?
彼の血液検査がとても良好だったことに、私たちはとても驚きました。 太った猫にありがちな甲状腺の問題や糖尿病の兆候は見られません。 太りすぎて座ったままの姿勢でいるのが難しいため、横になっている時間が多いのは悲しいところですが、彼が望めばすぐに動き回れることに私たちは驚いています。
――パッチズくんはどんな性格の猫ですか?
パッチズはとても人懐っこく、シェルターにいる間はスタッフやボランティアのお気に入りでした。体が大きいので長い昼寝を楽しんだりすることが多かったのですが、他の猫と違って、巨大なお腹をモミモミされるのを本当に楽しんでいるようでした。また、彼はスプルート(犬がうつ伏せで後ろ足を伸ばしたままリラックスしている姿勢)の達人でもあります。
――パッチズくんは痩せられるのでしょうか?
そう願っています。 彼がシェルターから出ることは獣医師からも許可を得ていて、 食生活を見直して新しい家で活動的になることが、ダイエットを成功させるために必要であると考えています。
――自分の飼い猫が太ってしまったらどうすれば良いでしょうか?
体重増加の原因となっている基礎疾患がないことを確認し、健康的な減量計画を立てるために、獣医師に相談することをお勧めします。猫のダイエットは、ゆっくり、着実に、が基本です。 急激に体重を落としすぎると、脂肪肝の原因になることがあります。
猫の肥満は見た目だけではなく、内臓や関節にも負担をかける危険な状態。猫を飼っている人は愛猫の健康を守るためにも、定期的に体重や体型をチェックするようにしたいですね。
写真提供:Richmond Animal Care and Control
<参考>
・体重なんと16キロ…!アメリカの太り過ぎな猫「キング」のダイエットチャレンジが話題に
・トルコで絶滅危惧種ジャングルキャットの近距離撮影に成功!野生なのに撮影者のすぐそばまで接近